国内2000店舗超え、売り上げ業界2位のセリア。収納・キッチン用品といった定番のほか、手芸など趣味関連の商品を豊富に取り揃えています。また、大手で唯一「全商品100円」で販売しているのが強みで、最近では「ミニチュア」などの新商品も次々に登場しています。

 “全部100円”を実現できる理由は?アイデアの秘密は?学生時代に100円ショップでアルバイトをしていて、自宅でも100円ショップの商品を愛用する藤林温子アナウンサーが調査しました。

「ぬい活」が最近のトレンド!いろいろありすぎて悩む…

 セリアで最近人気なのが、ぬいぐるみを着せ替えたりアレンジしたりする「ぬい活」の関連商品です。

 (藤林アナ)「いろいろありすぎて悩みますね」
 (スタッフ)「10個とかまとめて、いろんなものを買われる方が多い」
 (藤林アナ)「全部100円?」
 (スタッフ)「全部100円です」

 100円ショップでも、300円や500円の商品が並ぶのが当たり前の時代ですが、大手ではセリアが唯一、全商品を100円(※税抜き)で販売しています。

「全商品100円」大手で唯一実現できるワケ

 どうすれば、全て100円で販売できるのか。取材班は岐阜県大垣市にあるセリア本社へ。会議室では、中国・上海の取引先と商品のコストカットについて話し合っていました。セリアの100円商品の仕掛け人、大野公久部長の姿が。

 (セリア・商品部 大野公久部長)「まず台紙が大きい。紙の面積を小さくすることで紙のコストを下げられるんじゃないか。穴をあけてフックに通すだけで取り付けができるので、作業時間や人件費が削減できる」 

 物価高で原材料費も上がる中、100円を実現するためにあらゆるアプローチから日々、改善に改善を重ねています。

 (大野公久部長)「円安だけではなくて、国内の運送コスト・人件費など全部が上がっているので、余計に細かいところまで見ていく」

 セリアの売上は約2230億円と業界2位(※2023年度)。10年前と比べて、売り上げは約2倍と右肩上がりです。好調な売り上げの要の1つが「全ての商品が100円」という分かりやすさだといいます。

 (大野公久部長)「ワンプライスでやっているのはセリアだけになりますから。ここから先、競争力の武器になると思っています」

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 セリアが取り扱う商品は約2万8000点。それらを開発するのは商品部のたった9人です。1人当たり月に約100の新商品を手がけますが、そのアイデアは何気ない生活の中で見つかるといいます。

 (セリア・商品部 吉原響さん)「料理したけど『洗い物が面倒くさい』みたいな悩みがあったりすると思うんですけど、“お皿として使えるまな板”をつくってみたり。『もう少しこうだったらいいのにな』という部分に気付けるように日々生活しようと心がけています」

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 生活者の視点で、売れる商品を徹底的に分析することもセリアの強みです。

 (大野公久部長)「商品それぞれの単品のデータで動きを把握して、トレンドをつかんで商品に落とし込んでいます」

 本社には国内約2000店から商品ごとの売り上げの情報がリアルタイムで届き、好調な商品、伸び悩んでいる商品が一目でわかるようになっています。消費者のトレンドを常にフォローし、約2万8000点ある商品のラインナップは常に新陳代謝を繰り返しているのです。

「ミニチュア商品」新たな100円の価値を創造

 こうした中、誕生した商品が「ミニチュア商品」。今、力を入れている商材のひとつだといいます。忠実に再現された映画館の椅子やコンテナなどのミニチュアの数々。ぬいぐるみと並べて自分だけの世界を作り出せると、人気が出ているといいます。

 (大野公久部長)「嗜好性の高い商品は、お客様の人数は多くないですけど、限られた人数の中でも、すごく深掘りをしてくれるお客様なんですよね」

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 セリアのミニチュアは、三重県にある100円ショップ向けの製造会社で作られていました。ここでもコストを下げるための、作り手の工夫が詰め込まれています。

 (山田化学・営業企画部 関田慎太郎係長)「もともとうちは組み立て済みの商品を販売していましたが、(組み立て前の)平たい状態で出すのと、組んだかさばる状態で出すのでは、輸送効率がだいぶが変わってくる」

 輸送コストと組み立ての人件費を省くため、お客さんに作ってもらう方法に変えたのです。すると、思わぬメリットも…

 (関田慎太郎係長)「組み立てをお客さんにしてもらうことで、パーツの点数を増やせるんですよね。細かい、もっとこだわったギミック(工夫)のたくさんある商品ができる。例えば、椅子にカップホルダーがあるならやっぱりドリンクを置きたいなって」

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 100円を真面目に追求することで、新たな100円の価値を作り上げています。

 (セリア・商品部 大野公久部長)「まだまだいろんなアイデア次第で100円のものは作れますし、潜在的なニーズをどんどん掘り起こして、今できる新しい100円の価値を提供してお客様に喜んでもらう方法はある」

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