越前市内に18日、北陸最大級となるイチゴの栽培施設が完成しました。温度や水、光を自動で管理するシステムを取り入れたスマート農業で「もうかる農業」を目指すとしています。
栽培施設は、越前市杉崎町でイチゴの観光農園や直売店を展開する「明城ファーム」が、国や県、市の補助を受け約2億8000万円をかけて整備しました。
特徴の一つはその広さで、面積は3500平米あり、一つの施設としては北陸最大級を誇ります。広大な施設内では5品種が水耕栽培されていて、クリスマスシーズンの12月中旬から収穫が始まります。
また、この施設では、室温や光、肥料の量などが自動で管理される最新システムを取り入れています。
明城義和・代表取締役は「環境制御装置を利用しながら、温度や日射、湿度をコントロールしてイチゴを栽培する。メリットは品質の安定と、安定した販売」と話します。
元々、高品質のイチゴ栽培に定評のあった明城ファームは、これまで観光農園事業や直売店での販売がメインでしたが「完熟の美味しいイチゴの需要が地元の菓子店や客からあったが、今まで要望があっても生産量が安定せず、量が足りないため断ってきたのが現状」と話します。今回の施設の完成により生産能力は約2倍になったことから、今後に大きな期待を寄せています。
さらに最新システムを導入することで、収穫時期の調整もできるようになります。例えば、市場からの需要が多く価格交渉も生産者に有利に働くクリスマスシーズンに合わせて、収量を増やすことも可能になるということです。
「施設が完成したことで、一人でも美味しいと言ってもらえる客を増やしながら、末永く栽培を行いたい」と意欲を見せています。
施設では12月上旬から6月末頃までに約20トンを収穫する予定で、事業規模にして1億円程度の出荷額を見込んでいます。
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