■ブロッコリー価格2割上昇 1株166円に
トラックドライバーの残業時間の制限、いわゆる「2024年問題」や円安などの影響でブロッコリーの価格が去年に比べ2割以上高騰していることがわかりました。
農業総合研究所によるとブロッコリーの4月の出荷量は、去年の同じ月と比べて、18.6%増えているにも関わらず、価格が22.1%上昇。
1株166円ほどになっているということです。
この価格は、農業総合研究所が全国のスーパーマーケットで展開している2000店以上の「農家の直売所」のデータをもとに算出しました。
■トラックドライバーの「時間外労働規制」と「円安」「原油高」のトリプルパンチ
ブロッコリーの価格高騰の要因の一つに、4月1日から始まったトラックドライバーの時間外労働の規制、いわゆる物流の「2024年問題」があります。
これまで事実上規制がなかったトラックドライバーの時間外労働が、4月1日から年間960時間に制限されたことで、ドライバーが不足し、物流コストも上昇。
さらに、円安や原油高も物流コストの上昇に追い打ちをかけている状況です。
■「物流コスト減」に取り組む生産者 大都市圏への出荷減で価格高騰
物流コストの上昇分を農産物の価格に転嫁すれば、価格が高くなりすぎて農産物が売れなくなってしまいます。
そのため、生産者はこれまで東京などの大都市圏に送っていた農産物を近隣の都市圏に多く回すことで、輸送距離を短くし、物流コストの負担を減らす策をとっているということです。
しかし、これにより大都市圏に流通するブロッコリーの量が減少したため、価格が高騰しています。
■野菜オールスターの仲間入り決定も影響 価格高騰は5月中旬まで続く見通し
また、農業総合研究所は、ブロッコリーの価格高騰の背景には、2026年度からブロッコリーが「指定野菜」に加わることも影響していると分析しています。
「指定野菜」とは、特に消費量が多く、国民生活に重要な野菜のことで、現在はトマト、玉ねぎ、ニンジン、レタスなど、食卓に欠かせない14の野菜が選ばれています。
この野菜のオールスターに新規参入するブロッコリー。
「指定野菜」への格上げは、1974年のジャガイモ以来、実に52年ぶりとなります。
調理も比較的簡単で、食物繊維やビタミンのみならずタンパク質が多く含まれ、筋トレをする人にも愛されるブロッコリー。
「指定野菜」になることが決まったことで、さらに注目され、生産が人気上昇に追いついていない側面があるといいます。
農業総合研究所は、生産者の声や市場の動向などからブロッコリーの価格高騰は5月中旬まで続くとしています。
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