小林製薬の「紅麹」をめぐる問題で、ずさんな衛生管理の実態が明らかになりました。

工場の床にこぼれた材料を使って、食品向けの「紅麹原料」を製造していたことが新たにわかりました。

小林製薬をめぐっては、紅麹原料を使ったサプリメントを摂取した人に、腎疾患などの症状が相次ぎ、これまでに5人が死亡し、221が入院しています。(4月10日時点)

小林製薬によると、大阪工場で去年4月、材料を混ぜ合わせる機械のふたを閉め忘れたことで、材料が床にこぼれました。

従業員はその後、床や機械に触れていない材料の一部をすくい取り、食品向けの紅麹原料の製造に、使いまわしていたということです。

小林製薬は、去年5月、こぼれた材料を使った紅麹原料120キロ分を、6つの業者に納品しましたが、その翌月、119キロ分を自主回収。残る1キロはそのまま使われたということです。

小林製薬は「品質面は問題ない」とした一方で、「再利用するという判断は不適切」とし、落下防止の対策や、使いまわしを禁止するよう、ルールを強化しているということです。

調査を行う大阪市のトップは・・・
【大阪市・横山英幸市長】「衛生上の意識として正しかったのかどうかというと、今聞いているところでは疑問に思うところもある」「それ以外に把握しているものが全くないわけではないのですが、とはいえ厚労省と、情報はどこまで発信するか協議しながら進めている」

紅麹原料の材料を培養する工程をめぐっては、タンクを温めるはずの温水が、タンクの内部に混入していたことも明らかになっています。

小林製薬は「ご迷惑・ご心配をかけることがないよう、全社を挙げて取り組みます」とコメントしています。

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