10月に入り気温が下がってくると気になるのが“秋の味覚”。異常気象の影響で価格が高騰している野菜がある一方、平年より安くなる野菜もあるようです。また、日本人が好きな“あの魚”もお買い得に。この秋オススメの食材は?よりおいしく食べるには?経済ジャーナリスト・荻原博子さんなどへの取材をもとに情報をまとめました。

【野菜】平年より安くなるのは「ニンジン」「ハクサイ」「ダイコン」

 初めに、10月後半の野菜価格の見通しを見ていきましょう。

 ▼平年より高い:キュウリ・トマト・ナス・レタス・ブロッコリー
 ▼平年並み:キャベツ・ホウレンソウ・ネギ・ピーマン・ジャガイモ・タマネギ
 ▼平年より安い:ニンジン・ハクサイ・ダイコン
 (農業ジャーナリスト・松平尚也さんによる)

 松平さんによると、ハクサイやダイコンは気温が低下すると生育が回復し、価格が下がってくるとのこと。ハクサイはビタミンCをたくさんとれる鍋にするのがオススメです。またニンジンは、まとまった雨がしっかり降った影響で太く大きく育っているそうです。皮にも栄養がたっぷり含まれているため、煮物やジュースにするのがオススメということです。

 さらに、この秋イチオシの野菜がサトイモ。平年よりも1kgあたり数十円ほど安くなっているといいます。気候の影響を受けず順調に生育し、大玉のものもあるとのこと。ガラクタンという整腸作用のある栄養素が含まれていて、「炊き込みご飯」にするのがオススメだそうです。米の価格が上がっている今、安い里芋を“かさ増し”でお米に入れてもいいかもしれません。

【米】新米入荷で品薄解消も…価格は“高止まり”

 米はどうでしょうか。総務省の統計によると、コシヒカリ5kgの小売価格は去年同月比で約1000円高くなっているとのこと。新米が入り品薄状態は解消していますが、価格は高止まりしています。

 コロナ禍には、外食産業がストップした影響もあり米の値段が下がりましたが、新型コロナが落ち着き、インバウンドを含めた外食需要が増えると、値段も上がっていきました。また、燃料費の高騰で生産コストが上昇し、価格に反映せざるを得ないという事情もあります。しばらくは高止まりが続きそうです。

【魚】お買い得はサンマ&ブリ “一尾まるごと買い”がオススメ!

 続いて、この秋の魚の価格。

▼平年より高い:サケ・イクラ
▼お買い得:サンマ・天然ブリ
 (元水産庁・ウエカツ水産代表取締役 上田勝彦さんによる)

品質のブレや漁獲量低下により、サケの値段が上がっているそうです。一方、お買い得なのは、去年高かったサンマ。サイズは今がピークで、今後小さくなっていくため、食べるなら今がチャンスだそうです。

 また、天然ブリもお買い得です。海の環境変化により、冬だけではなく通年漁獲できるようになっています。今の時期のブリはまだ脂が乗っていませんが、この先気温が下がってくると脂が乗ってくるということです。

 上田さんによると、今ブリを食べるなら「唐揚げ」がオススメとのこと。ビタミン類が豊富で、脂が乗っていなくてもおいしいということです。



 そして今、非常に安くなってるのが、北海道で大繁殖している「オオズワイガニ」です。ズワイガニと比べて味は劣らず、値段は半額ほど。漁業組合のオンラインショップやふるさと納税の返礼品などにも入ってきているそうです。

 また、魚を買う際には「切り身ではなく一尾」で買うのがオススメだと上田さんは言います。物価上昇の波の中で、刺し身・煮つけ・アラなど、さまざまな部位を使うことで、食卓を彩りながら出費も抑えられるかもしれません。一尾を購入して、その場でおろしてくれる店も増えてきているので利用してみてはいかがでしょうか。

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