秋田県内では例年、秋の深まりとともにクマによる人身被害が増加する傾向にある。私たちの生活を脅かす存在でもあるクマだが、その肉を使った商品が開発された。インパクト抜群。観光の起爆剤として期待がかかる。

 菅原咲子アナウンサー:
「北秋田市の道の駅たかのすで販売が始まったクマを活用した新商品が『くまマス』。その名の通り、クマ肉と粒マスタードが掛け合わされている」

「くまマス」の開発を手がけたのは、北秋田市で農業を営む宮本昌子さん。祖父母から引き継いだ畑でシシトウなどを生産している。

宮本さんは2023年、自らが栽培するシシトウと粒マスタードを組み合わせた「ししマス」を開発。農林水産大臣賞に輝くなど、一躍人気商品となった。

より多くの人に手に取ってもらえるような新商品を生み出したいと考えた宮本さん。「ししマス」の開発でタッグを組んだ羽後町の「ジャム工房のら」の店主・斉藤亮さんに相談すると、ある提案を受けた。

 ふかさわファーム・宮本昌子さん:
「『クマ肉と合わせたら』と冗談で言われた。最初は私も冗談だと思って本気にしていなかったが、考えれば考えるほど『クマ肉は面白いかもしれない』と。全国で秋田県はクマ、マタギのイメージもあると思って、クマ肉と粒マスタードを合わせたらどうなるんだろうと思ってやってみた」

こうして生まれたのが「くまマス」。マタギの里として知られる阿仁地域のクマ肉とみそに、ふかさわファームで栽培されたニンニク、さらに「ジャム工房のら」の粒マスタードを組み合わせた。

野菜にディップして食べるのがおすすめの楽しみ方だ。

 菅原咲子アナウンサー:
「クマ肉の臭みは全くない。ニンニクのガツンとパンチのきいたうまみ、マスタードの酸味が前面に出ている。野菜につけるだけではなく、ご飯のお供にもいいかもしれない」

「くまマス」が道の駅たかのすの店頭に並び始めた10月1日は、クマ肉を使っているという物珍しさもあってか、県外からのツアー客が次々とその味を確かめていた。

 観光客の女性:
「ちょっとピリ辛!いろいろアレンジができるね。1個買いますか」

 観光客の男性:
「不思議な味だね」

 観光客の男性:
「普通にくまマスだけで食べたほうが良い。酒のつまみ」

「くまマス」は、道の駅たかのすでテスト販売されていて、販路拡大と秋田を代表するお土産を目指す。

宮本さんは「クマ肉は日常的に食べるものではないが、くまマスを気軽につまんで、北秋田やマタギ文化の魅力を感じてほしい」と話している。ぜひ一度、手に取ってみてはいかがだろうか。

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