(ブルームバーグ):大手スポーツ用品メーカーの米ナイキは1日、通期業績ガイダンスを撤回した。同日発表した6-8月(第1四半期)決算では、売上高がウォール街の予想を下回り、今月14日に最高経営責任者(CEO)に就任予定のエリオット・ヒル氏が直面する課題を浮き彫りにした。

マット・フレンド最高財務責任者(CFO)はアナリスト向け電話会議で、ガイダンス撤回は間近に迫ったCEO交代が理由だと説明した。9-11月(第2四半期)の売上高については、前四半期と同程度の8-10%減となる見通しを示した。

フレンドCFOは「いくつかの初期の成果は出ているものの、まだ好転したとは言えない」と述べた。退任するジョン・ドナホーCEOは電話会見には参加しなかった。

ナイキは11月に予定していた投資家向け説明会を延期することも明らかにした。これにより、ヒル氏は経営立て直し戦略の策定により多くの時間をかけられる。

同社の株価は時間外取引で米東部時間午後5時36分(日本時間2日午前6時36分)時点で6.3%下落。今年は1日終値時点で18%下落していた。

アナリスト向け電話会見前のナイキの発表によると、6-8月期の売上高は10%減の115億9000万ドル(約1兆6600億円)で、ブルームバーグがまとめたアナリスト予想平均をわずかに下回った。特に北米と欧州、アフリカ、中東を含む地域で売り上げが急減した。「コンバース」ブランドも依然として問題を抱えている。

一方で、中国本土の売上高は市場予想を上回り、4%の減少にとどまった。地域別では最も小幅な落ち込みだった。粗利益率は前年より上昇し、市場予想を上回った。ナイキは製品や倉庫、物流のコスト削減を理由に挙げたほか、昨年実施した価格調整も収益性向上に寄与したと説明した。6-8月期の1株利益は市場予想を上回った。

原題:Nike Withdraws Guidance Ahead of New CEO Taking Over (1)、Nike Sales Miss Estimates, Highlighting New CEO’s Challenge (1)(抜粋)

(CFOのコメントを追加し、株価の動きを更新します)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2024 Bloomberg L.P.

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。