(ブルームバーグ):米金融システムの資金不足に関する米連邦準備制度の主要指標が、ストレスの兆候がないか目を光らせている市場参加者から大きな注目を集めている。

過去のデータを見ると、銀行が支払いのために連邦準備制度の口座残高を上回る資金を引き出すデイライト・オーバードラフト(日中当座貸越)のピーク水準は、平均レベルと同じ方向に動く傾向がある。だが先週発表されたデータでは、ピークレベルが2四半期連続で上振れする一方、平均は最近のレンジ下限に向かい、データポイントが同期しなくなっていることが示された。

 

日中当座貸越におけるこうしたピーク水準急増は準備預金不足を示す警告サインであることが多いが、今回は異なる可能性があると、ライトソンICAPのシニアエコノミスト、ルー・クランドール氏は指摘する。

9月30日のリポートで「日中の連邦準備制度与信に関するピーク利用増加は結果的にポジティブなものになる可能性が少なくともある」とし、「トレンドをけん引している要因がはっきり分からないため、最新データから確固たる結論を出すことは控える」と説明した。

ニューヨーク連銀のロベルト・ペルリ氏も先週の第10回年次米国債市場会議で、準備預金の潤沢さを示す他の指標は、準備預金がなお「潤沢な」範囲内に深く収まっていることを示していると述べ、クランドール氏と同様の認識を示した。

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連邦準備制度の資産ポートフォリオを統括しているペルリ氏は、現時点では日中当座貸越の平均がフリクションをより適切に表していると指摘。日中当座貸越の平均増加は、連邦準備制度から「日中の与信」を受けずには、支払いを進める上で必要な規模の準備預金を確保しにくくなっていることを示唆すると述べていた。

原題:Fed Metric on Bank Reserves Gives Mixed Liquidity Sign (Correct)(抜粋)

(原文訂正に伴い6段落目後半の発言内容を修正して更新します)

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