(ブルームバーグ):来週の円相場は上昇が予想されている。自民党総裁選で石破茂元幹事長が勝利したことを受けて、日本銀行の利上げ路線が維持されるとの見方から円買いが優勢となりそうだ。半面、米国経済は底堅く、ドルの下値は限定的との見方がある。

市場関係者の見方

◎あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジスト

  • 石破氏の勝利を受けて円金利低下、株高、円安・ドル高の反動が進みそう。ただ、米国は利下げ期待がやや織り込まれ過ぎており、ドルは徐々に底堅くなるとみる
  • ドル・円は142円から148円のレンジを想定。総裁選の材料だけでレンジを下抜けることはないだろう。中国は景気対策を講じてやや回復期待が出ており、リスクオンでドルが買われやすくなる公算も
  • 日本の政局では解散・総選挙が注目される。選挙に勝てるとリスクオンになるが、勝てるかどうか微妙であれば様子見になるだろう

◎ニッセイ基礎研究所の上野剛志上席エコノミスト

  • 石破氏が勝利したことで日銀の緩やかな利上げ姿勢が維持され、足元は円高基調に
  • 米国では重要な経済統計が発表される。景気の底堅さが確認されれば利下げの織り込み過ぎが修正され、ドルも堅調に推移しやすくなる
  • 焦点は雇用統計で、発表されるまでは大きな値動きは抑えられ、ドルの下値は堅いだろう

来週の注目材料

  • 1日:日銀の企業短期経済観測調査(短観、9月調査)
  • 4日:9月の米雇用統計

来週の主な予定

  • 30日:パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が全米企業エコノミスト協会(NABE)で講演
  • 30日:欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が欧州議会で発言
  • 30日:日銀、10-12月の国債買い入れ予定
  • 1日:9月の米ISM製造業景況指数
  • 3日:日銀の野口旭審議委員が長崎県金融経済懇談会で講演・会見
  • 3日:9月の米ISM非製造業総合景況指数

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