(ブルームバーグ):ユーロ圏経済の見通しは暗さを増している。そこで、欧州中央銀行(ECB)が大幅な利下げを連続して決定することに賭け、一攫千金を狙っているトレーダーがいる。
この賭けは、欧州銀行間取引金利(EURIBOR)3カ月物の先物オプションを活用し、ECBが年内残り2回の会合で中銀預金金利を現在の3.5%から2.5%に引き下げることを見込む取引だ。賭けが的中すれば、支払われる金額は1400万ユーロ(約22億5600万円)余りと、オプションに支払った額の20倍に上る。
9月のユーロ圏HCOB総合購買担当者指数(PMI)速報値が拡大と縮小の境目である50を下回り、ドイツIfo企業景況感指数も予想以上に落ち込むなど弱い指標が続いた今週、ECBが緩和ペースを加速させるとの見方が市場では強まっている。それでも短期金融市場が織り込むECBの年内利下げ幅はおよそ50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)で、2回の大幅利下げには程遠い。
市場が示唆するECBが10月に0.25ポイントの利下げを決定する確率は現在60%で、先週の20%から上昇した。HSBCのエコノミストは10月から来年4月まで、ECBが毎回の会合で0.25ポイントの利下げを継続すると予想を変更。シュローダーは10月の利下げが正当化されるとの見解を示した。
ECB政策委員会では、タカ派寄りのミュラー・エストニア中銀総裁が今週、10月の利下げは完全には排除されないと発言。タカ派で名高いクノット・オランダ中銀総裁も先週、年内に1回か2回の0.25ポイント利下げを見込む市場の期待に違和感はないと述べていた。
原題:Trader Eyes €14 Million Payout on Outsized ECB Rate Cuts(抜粋)
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