先月、会社を設立して4期目を迎えた。おかげさまで少しずつ「株式会社ワダチラボ」を知っていただく機会が増えた。とてもうれしい気持ちと、経営者としてまだ未熟な私を支えてくれる社員、業務パートナーなど、7名いるメンバーには頭があがらない。
実は会社を立ち上げる前に、社員を2名採用したことがあった。彼女たちの熱い思いにふれ、うちで活躍してくれる人材だと感じていたが、コロナ禍に突入してしまい、仕事が激減。
彼女たちに仕事を与えることができない中、絶対に雇用は守ると自分の役員報酬を減らし、必死に働いた。ただ内心では、支払い時期が近づく度に、生きた心地がしなかった。そこから半年後、彼女たちに「会社の戦力になれず本当にすみません。これ以上、知加さんの重荷になりたくないので退職させてください」と切り出され、それぞれが新しい会社へ旅立った。
こんな状況をつくってしまったふがいない自分を正面から受け止めた。ここで変わらなかったら経営は続けられないと腹をくくり、一念発起で経営を一から学び、この会社の存在意義を深く考えた。そこから5年の月日が流れ、会社も大きく変わった。
以前は社員の気持ちが会社の中心にあったが、今は会社の理念である「誰もが可能性を信じられる社会づくり」を中心に置いている。この理念実現のため、まず社員一人一人が自分の可能性を信じてチャレンジできる風土と、チャレンジを評価する仕組み(人事評価、トレーニング、フォロー体制)をつくり、報酬にひもづけた。
その結果、5年前に社内で実施した成長実感の調査と比べて、数値は3倍以上向上し、利益も増益。創業2年目からは賞与を支給することができるようになった。
この経験から学んだことは、自分のふがいなさや弱みを受け止めて経験を学びに変えること、そして何を目的に置くのかを深く考えることだった。何かに迷ったとき、目的に立ち返ってみるのはどうか。
(ワダチラボ社長)
2024年度上半期は今回で終了します。次回は新執筆者を紹介します。
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