(解説:住本結花アナウンサー)
働きやすい環境をつくる「フレックスタイム制」。
この「フレックスタイム制」とは、出勤時間や退勤時間を自由に選べる制度のことです。
企業によって様々な条件はつきますが、より柔軟な働き方が期待されます。
今、行政機関でも導入が進んでいて、岩手県では2022年から介護や子育てをする職員などを対象に始めました。
2023年度は約4300人の職員のうち、希望する52人全員が利用したということです。
そして市町村では4月から、一戸町が県内で初めてフレックスタイム制を試験的に導入しています。
利用している職員に話を聞きました。
午前8時半に始業のチャイムが鳴り朝礼が始まった一戸町役場ですが、その15分後に出勤する人の姿がありました。総務課の下村鷹也さんです。
一戸町総務課 下村鷹也さん
「朝は家のことでバタバタするが、余裕を持てるようになったので、出勤後も少し余裕を持てるようになった」
一戸町役場で4月から試験的に始まった「フレックスタイム制」は、全ての職員が対象となっています。
通常の始業時刻は午前「8時半」ですが、このほか「午前8時」「午前8時45分」「午前9時」の3つからも選ぶことができます。
条件として事前に上司に申請すること、1日7時間45分は働くことなどがありますが、現在は7人の職員が利用しているといいます。
下村さんがこの制度を使う理由を聞きました。
一戸町総務課 下村鷹也さん
「結婚を機に滝沢駅の近くに住むことになった。8時半出勤のために電車を使うと1時間早く着くので制度を使った。仕事に対する集中力も上がったように感じる」
商工観光課の小寺学さんは2023年に次女が誕生、長女のこども園の登園時刻が始業時刻と同じ午前8時半で困っていたといいます。
一戸町商工観光課 小寺学さん
「前は妻が赤ちゃんと一緒に長女を登園させていたが、大変で。フレックス制度を使って今は私が登園させている」
制度を導入したのは「働き方改革」と「人材確保」のためです。
一戸町総務部 上山正幸部長
「ライフスタイルも多様化しているし、働きやすい職場を目指して導入した。若い方々に職場の魅力の一つとして発信できると思う」
一戸町では効果や反応をまとめた上で、2025年度の本格導入を目指しています。
今回、一戸町が他の市町村に先駆けて「フレックスタイム制」を始めましたが、このほか県内では、久慈市で5月から3カ月間、希望する職員が「週休3日」で働ける制度を試験的に始めます。
これは週休3日の職員が1日あたりの勤務時間を長くすることで、他の職員と1週間の勤務時間を合わせるように調整するということです。
こうした自由な働き方が進むと、その分自分で仕事の進み具合などを管理する能力も求められるかと思いますが、仕事の充実のためにも活用していけたらいいです。
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