コメが手に入りにくい状況が続く中、うれしい便りが届き始めた。秋田県由利本荘市では稲刈りが進んでいる。2024年は大雨や害虫に悩まされたが、農家は「消費者に少しでも早く届けたい」と作業にあたっている。

10日は心地よい風が吹く爽やかな秋晴れの下、由利本荘市で稲刈り作業が進められていた。

風に揺れる黄金色の稲穂。由利本荘市の渡辺俊明さんは、18ヘクタールの田んぼで「あきたこまち」と「ひとめぼれ」を栽培している。9月4日から稲を刈り始め、作業は順調に進んでいるが、収穫に至るまでは苦労の連続だった。

特に7月は大雨に悩まされた。渡辺さんによると、ほ場には影響がなかったが、途中の水路が土砂崩れでふさがれ、5日間くらい水がこなかった。そのため、隣の町内から水を分けてもらい、苦しい時期をしのいだという。

また、各地で多数の発生が確認されたカメムシの影響もあった。被害を受けたコメは部分的に黒くなっている。渡辺さんは出荷する前に機械で取り除き、全体としては品質の良いコメに仕上がった。今後の検査で等級が決まるが、味にも太鼓判を押す。

刈り取り作業を体験した佐藤愛純アナウンサーは、刈り取られていく穂にたくさん実がついていて「ことしもおいしいコメができたのだろう」と改めて楽しみになったという。

全国的にコメが手に入りにくい状況が続く中で、刈り取り作業を急ぐ渡辺さん。「ことしは去年みたいな白い濁り米があまりなくておいしかった。少しでも早く消費者に届けたいという思いで、思い切って4日から稲刈りを始めた。ことしもようやくここまでたどり着いたので、汗と涙の農家の苦労の詰まった粒をゆっくり堪能してもらえれば、僕たちもうれしい」と語った。

待望の新米が食卓に届くのはもうすぐだ。

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