(ブルームバーグ):次世代半導体の量産を目指すラピダスが、トヨタ自動車やソフトバンクなどの既存株主の他に、新たにみずほ銀行などの2メガバンクや日本政策投資銀行に総額200億円の出資を要請していることが、9日分かった。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

同関係者らによると、ラピダスは新規株主としてみずほ銀と三井住友銀の2行に50億円ずつ、政投銀にも100億円の出資を要請。また事業会社にも新規出資を打診しているという。既存株主のトヨタや、ソニーグループ、ソフトバンク、三菱UFJ銀などには合計800億円の出資を求めた。9月末までに出資に向けた関心表明を出すように要求している。

三菱UFJ銀とみずほ銀、三井住友銀はいずれもコメントを控えた。ラピダスは資金調達についてはさまざま検討しているが、現段階で公表するものはないとした。

ラピダスは2027年に2ナノ(ナノは10億分の1)ロジック半導体を量産する計画を表明しており、5兆円程度の投資が必要と見込まれている。政府はすでに補助金で最大9200億円の支援を決めている。企業からの出資は73億円にとどまっており、民間からの資金調達拡大が課題になっていた。

同関係者らによると、3メガに対しては当初、1000億円規模の融資を求める方向で調整していた。ただ事業化に至っていないことから借り入れは困難と判断し、出資に切り替えた。調達資金は、量産工場の建設費用に充てる計画だが、最終的な事業規模を踏まえて、今後は銀行借り入れなども検討する。

民間資金とは別に、斎藤健経済産業相が次世代半導体の量産に向けての政府出資を可能とする法案を早期に国会に提出する考えを明らかにしている。

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