(ブルームバーグ):6日朝の東京外国為替市場の円相場は1ドル=143円台前半で推移。米国で弱い雇用関連統計を受けて、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利下げ観測がくすぶっていることが円を支えている。海外時間に注目の米雇用統計の発表を控えて、値動きは小幅だ。
大和証券の石月幸雄シニア為替ストラテジストは、海外時間はADP雇用統計を受けてドルが売られたが、「同指標と本番の米雇用統計とそこまで連動性があるわけではないので反応も一時的だった」と指摘。「神経質で方向感がつかみづらい状況」で、東京市場では株にらみで「リスクセンチメントが回復しているのかそうでないのかで値動きが決まってくる」と述べた。
5日に発表された8月のADP民間雇用者数は2021年1月以来の低い伸びとなった。7月分も下方修正された。供給管理協会(ISM)が発表した8月の非製造業総合景況指数は2カ月連続で活動拡大を示したが、雇用指数は低下。一方、先週の新規失業保険申請件数は市場予想を下回り改善した。ブルームバーグ・ドル指数は5日、約1週間ぶりの水準に低下した。
米ADP民間雇用者数、21年初め以来の低い伸び-市場予想下回る
9月の米利下げ幅を占う上で最大の関心事は6日発表の8月の米雇用統計だ。ブルームバーグがまとめた市場予想では、失業率は4.2%と7月(4.3%)から小幅低下が見込まれている。弱い雇用関連指標が相次ぐ中、予想より弱い内容となれば、17、18日のFOMCに向けて50ベーシスポイント(bp)の利下げを求める催促相場になると警戒されている。
野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは6日付リポートで、雇用統計次第では9月50bp利下げの織り込みが5割を超える可能性は残るとし、「年内140円割れの円高リスクを測る上で、雇用統計は極めて重要だ」と指摘した。
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