(ブルームバーグ):米国の求人件数は7月に減少し、2021年1月以来の低水準。レイオフは増加し、労働力需要の減速を示す他の兆候と整合する内容となった。
求人減少は労働市場の軟化を示した最近のデータと整合する。こうしたデータをきっかけに、連邦準備制度理事会(FRB)当局者の間で懸念が浮上した。雇用の伸びは鈍化し、失業率は上昇、求職者が職を見つけるのが難しくなっている状況は、リセッション(景気後退)への不安をあおっている。
金融政策当局はこれまで、労働市場におけるこれ以上の冷え込みは歓迎しないことを明確にしている。今月の連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利が引き下げられると広く予想されている。
7月の雇用統計で雇用者数の伸びが予想を下回ったほか、統計の基準改定で過去の数字に大幅な下方修正が施された。これを受けて政策当局と市場は6日発表の8月雇用統計を見極めたいとの姿勢で、再び弱い数字が出れば、大幅な利下げにつながりかねないと身構えている。
ブルームバーグがまとめた予想中央値では、緩やかなペースでの雇用者数増加と失業率の低下が見込まれている。
ブルームバーグ・エコノミクスのスチュアート・ポール氏は「レイオフと失業が増加し、求人件数が減少している現状は、労働力の需給バランスがシフトし、労働市場の弱さが際立つようになったことを示す。最終的には賃金とインフレへの圧力低下につながるだろう」と述べた。
求人件数統計では、レイオフが176万件に増加し、2023年3月以来の多さとなった。娯楽・ホスピタリティー企業での解雇が目立った。雇用は一方で小幅に増加し、20年4月以来の低水準だった前月から盛り返した。
FOMCが注目する失業者1人当たりの求人件数は1.1件に減少し、依然3年ぶり低水準。2022年のピーク時には2件だった。
自発的離職者の割合である離職率は2.1%に小幅上昇したものの、なお2020年以来の低水準に近い。離職率の低さは、数年前と比べて新しい職を見つける自信が薄れていることを示唆する。
回答率が低いことなどから、この労働省雇用動態調査(JOLTS)の信頼性を疑問視するエコノミストもいる。
JOLTSの詳細は表をご覧ください。
原題:US Job Openings Decline to Lowest Level Since January 2021(抜粋)
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