(ブルームバーグ):9月1週(2-6日)の日本株は一進一退か。米エヌビディア決算が相場全体に波乱を起こさなかった安心感から、週前半は買いが優勢になりそう。週後半は米雇用統計の発表を前に、米経済の軟着陸シナリオが支えられるかを見極めようと、投資家が積極的な取引を控える可能性がある。
8月4週の東証株価指数(TOPIX)は週間で1%高と続伸。エヌビディア決算の発表前は薄商いが続いたものの、米景気の堅調さなどを好感し底堅い動きだった。
6日に米労働省が8月の雇用統計を発表する。7月の失業率はほぼ3年ぶりの水準に上昇し、世界的に株価が急落する一因となった。このため、市場の想定を超える雇用悪化への警戒感は強い。8月の失業率の予想は4.2%と7月の4.3%から小幅改善が見込まれている。
国内では5日に7月の毎月勤労統計が発表される。6月は実質賃金が前年比1.1%増と27カ月ぶりにプラスに転じた。7月の市場予想は同0.8%減だが、プラス圏を維持するサプライズとなれば、消費回復期待で内需関連が買われそう。同日には日本銀行の高田創審議委員が石川県金沢市で講演を行う。
《市場関係者の見方》
しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネジャー
エヌビディア決算を通過したことで週前半は戻し、週後半は米雇用統計を前に様子見になるイメージ。実質賃金がプラスとなれば内需関連株が強まり、日本株相場の下支えとなる一方、外需関連株は米景気を見極めたいため買い控えられそう。高田審議委員の講演は安全運転を予想しており、相場への影響は限定的だろう。
アセットマネジメントOneの清水毅チーフマーケットアナリスト
週末に雇用統計を控えて投資家は動きづらい、神経質な相場が続く。8月頭の米雇用統計で大きく市場が動いたことは記憶に新しく、同統計への注目は高い。米景気懸念が再燃することになれば、日本株も売りに押されるだろう。
--取材協力:田村康剛.
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