(ブルームバーグ):スイスのUBSグループは、中国の2024年と25年の国内総生産(GDP)成長率予想を下方修正した。不動産市場の低迷が予想以上に深刻で、まだ底が見えていないと指摘した。

不動産不況と引き締め気味の財政政策スタンスを受け、中国経済のモメンタムは3月以降抑えられており、UBSは24年のGDP成長率を4.6%と予想。従来の4.9%から引き下げた。来年の成長率見通しは4%と、前回の4.6%から下方修正した。

UBSのエコノミスト、汪濤氏らは28日付のリポートで、「家計消費を含め、不動産活動の低迷による経済全般への圧迫は従来予想よりも大きくなるとわれわれは見込んでいる」と説明した。

中国当局は22年末以降、住宅ローン金利の引き下げや頭金要件緩和、住宅購入制限縮小など、不動産市場に対する支援策を講じてきたが、UBSによれば、こうした施策の実施は遅れ気味で、効果は限定的だ。

汪氏らは「中国の不動産需給のファンダメンタルズは近年変化し、家計所得が伸び悩む中で市場の信頼感は低く、在庫水準が高い一方で在庫調整の実施は遅れている」と分析。中国不動産セクターの見通しを引き下げ、新築住宅着工が底を打つのは26年半ばになると見込んだ。

原題:UBS Lowers China Growth Forecasts on Deeper Property Downturn(抜粋)

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