(ブルームバーグ):米連邦準備制度が重視する基調的なインフレ指標で、30日発表される7月の米個人消費支出(PCE)コア価格指数は、待望の利下げが迫っていることを裏付ける一方、消費に関する指標は、米金融当局が景気拡大を維持することに成功していることを示すとみられる。

エコノミスト予想では、7月の食品とエネルギーを除くPCEコア価格指数が前月比0.2%上昇と、前月と同じ伸びになると見込まれている。予想通りであれば、コアインフレ率は3カ月年率換算で2.1%まで鈍り、2%目標をわずかに上回る程度となる。

また、ブルームバーグ調査のエコノミスト予想では、7月の個人消費支出が物価変動調整前で前月比0.5%上昇し、4カ月ぶりの高い伸びを示すとみられている。

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は23日、ワイオミング州ジャクソンホールで開かれたカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムで講演し、インフレ抑制を巡る最近の進展を認めた。インフレ率が2%への道筋をたどっているとの確信を深めたとし、「政策を調整する時が来た」と述べた。

パウエル氏による今回の発言は、インフレ圧力に対する米金融当局の約2年にわたる闘いにおける重要な転換点となり、FRBの2つの責務のもう一方の部分である労働市場を巡るリスクに焦点が移ったことを示した。雇用の伸びは個人消費の下支えに寄与しており、景気拡大を確保する上で鍵を握る。

アナ・ウォン氏、スチュアート・ポール氏、エリザ・ウィンガー氏、エステル・オウ氏らブルームバーグ・エコノミクス(BE)のエコノミストは、「パウエル議長によるジャクソンホールでの非常にハト派的な講演は、市場関係者の耳に心地よく響いた。パウエル氏は連邦準備制度が力強い労働市場を支え、経済の底上げを図るためにできることは全て行う方針を示した。われわれは現実を少し確認する必要があるとも考えている」と指摘した。

原題:Fed’s Preferred Price Gauge to Reinforce Rate Cuts: Eco Week(抜粋)

--取材協力:Robert Jameson、Laura Dhillon Kane、Zoe Schneeweiss、Paul Richardson、Brian Fowler.

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