(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)のチーフエコノミストを務めるレーン理事は24日、インフレ率を2%に戻す闘いにECBは勝利しておらず、金利水準は経済に対し過度に悪影響を与えることなく、その目標達成に必要な高さに維持されなければならないとの認識を示した。

米ワイオミング州ジャクソンホールで開催されたカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムで討論会に参加したレーン理事は「目標への回帰はまだ確実ではない」とし、「特に金融スタンスは、目標にタイムリーに戻る方向にディスインフレのプロセスを導く上で必要な期間にわたって、景気抑制的な領域にとどまる必要がある」と話した。

その一方で、過度に引き締まった政策は危険ももたらすとし、とりわけ失速がデータで示唆されているユーロ圏経済に対してそうだと警告した。

「目標回帰は持続可能でなければならない」とし、「あまりにも長い期間、過度に高い水準の金利の道筋が続ければ、インフレ率は中期にわたって目標を慢性的に下回る状況につながり、生産と雇用への副作用を最小限に抑えるという点で非効率的になるだろう」と述べた。

9月に予定されるECB次回会合で2回目の利下げがあるとの市場予想を支持する当局者が増えている。それに加え年内にもう1、2回の金利引き下げがあり得ると示唆する当局者もいる。

原題:ECB’s Lane Says Return to 2% Inflation Target Not Yet Secure (1)(抜粋)

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