(ブルームバーグ):イスラエルは48時間の非常事態を宣言した。レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラは司令官が先月殺害された報復として、イスラエルへの第1段階の攻撃を実施。イスラエルはレバノン南部にあるヒズボラ拠点に先制攻撃も行った。

イスラエル軍はレバノン上空に戦闘機100機を派遣し、イスラエル北部と中部の標的を狙った数千に及ぶロケット発射装置を破壊したと説明。同軍のショシャニ報道官はヒズボラがその後、イスラエルに向けて数百発のミサイルやロケット弾を発射したと明らかにした。

ショシャニ氏は、一連の攻撃によるイスラエル側の被害は非常に限定的だったもようだと指摘。レバノンにおけるイスラエルの作戦も現時点では基本的に終了したと述べたが、双方は引き続き警戒態勢にある。ヒズボラ側も25日の作戦については終えたとしている。

25日の攻撃は、いわゆる交戦規定(ROE)の範囲内にとどまったが、イスラエルとヒズボラ間の応酬が大規模な戦闘へと発展する恐れがあるとの懸念を抱かせた。

ヒズボラはイスラエルへの攻撃について、先月30日にベイルート南郊で司令官が殺害されたことに対する報復の第1段階だと述べた。イスラエル北部にある11カ所の軍兵舎と軍事施設を標的に、320発を超えるミサイルに加え、無人機を発射したと主張した。

北部でサイレン音

イスラエル側は標的を確認していないが、同国北部では25日午前にサイレン音が何度か聞こえた。屋内にいて、すぐにたどり着ける防空施設があれば、職場は通常通り業務を行うことができるという。

ヒズボラと関係があるレバノンのグループは、25日の空爆で戦闘員1人が死亡したことを明らかにした。レバノン国営通信のNNAによれば、他に2人が死亡、数人が負傷した。

イスラエル軍のショシャニ報道官はヒズボラがミサイルやロケット弾を発射する準備を進めているのを確認し、先制的に行動したと説明。イスラエルはヒズボラが活動する地域にいるレバノンの市民に対し、危険な場所から離れるよう警告したと述べた。イスラエル側の行動はレバノン南部に限定された。

イスラエルのネタニヤフ首相は安全保障閣僚会議を開き、「わが国を守るため、北部の住民を安全に帰還させるため、そしてわれわれに危害を加える者は誰であれ、われわれはそれらに危害を加えるというシンプルなルールを守り続けるため、あらゆることを行う決意だ」と表明した。

パレスチナ自治区ガザでの停戦を目指す協議は予定通り25日にエジプトの首都カイロで始まったと、イスラエル首相府が発表した。

しかし同日夜、ハマスの代表団がカイロを去った後、ハマスのオサマ・ハムダン報道官はテレグラムへの投稿で、イスラエルが「停戦に新たな条件を追加」し、「先延ばしを続けている」と述べた。批判の矛先はバイデン米政権にも向けられ、「選挙目的で合意が近いという誤った希望を植え付けようとしている」と同報道官は批判した。

米国防総省のライダー報道官は「われわれは引き続き状況を注視しており、米国がイスラエルの防衛を支援する態勢を取っていることを明確にしている」とコメントした。

原題:Israel Bombs Southern Lebanon to Thwart Hezbollah Revenge Attack

Hezbollah Says it ‘Concluded’ Today’s Operation Against Israel

Mideast on Edge After Israel Bombs Lebanon to Thwart Attack

Mideast on Edge After Israel Bombs Lebanon to Thwart Attack (1)(抜粋)

(ハマス報道官の発言を追加し、更新します)

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