(ブルームバーグ):7月の米中古住宅販売件数は5カ月ぶりに増加した。住宅ローン金利の低下に伴い、住宅市場が安定に向かっていることが示唆される。
統計発表元である全米不動産業者協会(NAR)のチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は「小幅に増加したが、住宅販売はなお低迷している」としつつ、「だが消費者の選択肢は確実に増えており、金利低下により値ごろ感も改善している」と付け加えた。
潜在的な買い手は現在、米金融当局による利下げを待っている状況だが、住宅価格の高さが影響し値ごろ感の改善には時間がかかる可能性がある。
販売価格の中央値は前年同月比4.2%上昇の42万2600ドル(約6180万円)で、NARのデータでは7月として過去最高となった。
中古住宅販売在庫は133万戸と若干増えたが、なお新型コロナウイルス禍前の190万戸余りを大きく下回っている。在庫消化に要する期間は4カ月。
ユン氏は記者団との電話会見で、在庫は前年比で20%近く増加しているとし、3%の住宅ローン金利を手放し、物件を売りに出す所有者が一部にいることを示唆していると述べた。
30年物固定住宅ローン金利は6.5%に低下したが、全米抵当貸付銀行協会(MBA)の住宅購入申請指数は2月以来の低水準にある。これは購入希望者が借り入れコストの一段の低下と、高止まりする提示価格の下落を待っていることを示唆している。
7月に販売された住宅のうち62%は、売りに出されてから1カ月未満で買い手が決まった。前月は65%だった。販売戸数のうち4分の1近くは販売価格が提示価格を上回った。7月の平均売り出し期間は24日間で、前月の22日間から増えた。需要軟化のさらなる兆候を示している。
中古住宅販売は米住宅市場の大半を占め、契約が成立した時点で算出される。7月の新築住宅販売件数は23日に発表される。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:US Existing-Home Sales Increase for First Time in Five Months(抜粋)
(統計の詳細やコメントを追加し、更新します)
--取材協力:Chris Middleton.
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