宮城県と仙台市が導入を目指す宿泊税について、仙台市の郡市長は課税対象を1泊あたり「6000円以上」とすることで県と合意したことに「妥当である」とした上で改めて導入に理解を求めました。

宮城県と仙台市が観光振興策の財源として導入を目指す「宿泊税」は県内一律で1人1泊300円を徴収するもので、このうち仙台市内のみ市が200円、県が100円を分け合います。

宿泊税の課税対象を巡っては当初、県と市は1人1泊3000円と想定していましたが、宿泊事業者などからの反対の声を受けて1人1泊6000円以上とすることで意見がまとまりました。仙台市の郡市長は6000円という金額について「妥当」とした上で、宿泊客への説明など業務の負担が懸念される宿泊事業者に対して改めて理解を求めました。

仙台市 郡和子市長
「それこそ宿泊事業者の方々にご負担をいただかなければならないところも出てくるわけなので、今後いろんなご意見を伺いながら、しっかりとサポートしながら進めていきたい」

市は年間で約10億円の税収を見込んでいて、今後、県と連携して市民向けの説明会の実施も検討しているということです。仙台市と県は条例案を9月議会に提出する予定です。

一方、県内の旅館組合などは導入に反対する団体を設立し、22日に青葉区で初めての総会を開きました。

宿泊事業者
「東北はコロナ禍からの回復途上で、数字が大変厳しい。宿泊税を導入する時期でも環境でもない」
宿泊事業者
「どうして徴収義務者にならなければならないのか。私たちは本当に県と市の手先ですよ。消費者の方たちに恐縮です」

22日、青葉区で開かれた「宮城県・宿泊税を憂慮する会」。鳴子、遠刈田、作並など県内各地の旅館組合など18団体が参加して設立した会です。初めて開かれた22日の総会では、会として導入に反対する活動を行う方針を確認。加えて「宿泊事業者は導入に納得も共感もしておらず、宿泊税の徴収そのものに強く反対する」という宣言を決議しました。

宮城県・宿泊税を憂慮する会 藤田謹一代表
「宿泊税、これは観光税ですから観光なさったから税金をいただきますよというのは、おかしい話なんです。今の県のやり方は非常に残念というよりも非常に腹立たしい」

会では今後、議会に働きかけるなどして反対活動を続ける方針です。

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