(ブルームバーグ):明治安田生命の北村乾一郎運用企画部長は、年内にも日本銀行の追加利上げが行われる可能性があり、内外金利差の縮小により円の対ドル相場は1ドル=135円に向かうとみている。

北村氏は20日のインタビューで、利上げは2024年度内にあと1回、「12月にもあるような気がする」と述べた。また、7月末の利上げ後に急速な円高が進み、「中央銀行が動き出すときに内外金利差による影響があることを改めて認識した」と言う。米国の金利が下がる一方、日銀は緩やかながら利上げの方向にあり、内外金利差の一段の縮小から「円高の見通しに変わりはない」とも語った。

日本国債に対する投資姿勢は、25年度適用の規制対応で金利リスクを削減するため、「超長期債に前のめりだったことは事実だが、恒常的に買い入れなければならない時期は終わった」と説明。今は「世界の債券投資先の一つ」でしかなく、外債との比較で「是々非々で投資していく」との考えだ。

日銀が7月末の金融政策決定会合で国債買い入れの減額計画を公表したことにより、日銀の買い入れは今後徐々に減っていく方向にある。日銀に代わる国債の買い手として生命保険会社に対する期待も強いが、生保は外債などとの比較考量を重視する姿勢に転じており、債券相場を押し上げるには力不足の可能性がある。

自民党総裁選挙について北村氏は、誰が新しい首相になっても「基本的に日銀の独立性が担保される」と予想。市場への影響力という点では米国の大統領選の方が大きいとし、特にトランプ前大統領が返り咲いた場合、積極財政と強硬な移民政策により景気減速とインフレが共存するスタグフレーションに陥り、ドル安・円高が加速するリスクがあると読む。

米国の長期と超長期の金利が低下する中で為替の変動もあるため、デリバティブ(金融派生商品)を合わせながら考えれば、「オープン外債を含めた外債のポテンシャルは高い」と指摘。外債投資のヘッジコストはなお高水準だが、トータルなリスクリターンを追求する観点から「中長期投資として選択肢に入れなければならない」と話した。

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