きょう発表された4月から6月のGDPは3.1%のプラスでしたが、実は「消費」は足踏み状態です。なにかと財布のヒモが堅い。夏休みの旅先でもそんな実情が見えてきました。

夏休み中盤、三連休初日の群馬県草津温泉。夕食時に観光客が列をなしていたのは、中心地からほど近いこちらのお店。

「チャーシュー麺です」

なぜ、温泉宿の食事ではなくラーメン店にこんなにも?


「元々、夕飯のプランはつけてなくて、素泊まりというか宿泊だけだと値段も結構リーズナブルで安価で抑えられるので、外で食べようかなと」
「宿泊費をちょっと控えて、温泉と寝られれば何でも良いかなって。こういう感じで探した方がまだ得かなって」

多くは「素泊まり客」。実はお店側も…

麺屋煮川 店主 野口隼人さん
「ラーメンを遅くまでやったらそういう(素泊まりの)お客さんを引っ張れるんじゃないかと」

インバウンドや物価高を背景に、旅先でも費用を抑える工夫をする人が増えているのです。

きょう発表された実質GDP=国内総生産にも、なかなか財布のヒモが緩まない実情が表れています。

4月から6月は2四半期ぶりのプラスとなる3.1%の成長で、およそ6割を占める個人消費も5四半期ぶりにプラスでした。

新藤義孝 経済再生担当大臣
「新たな経済ステージへの転換が進んでいる。象徴的な結果」

とはいえ、「個人消費」は停止していた自動車の生産、そして購入の再開が大きく押し上げただけで、「食料品」や「サービス消費」などの分野は足踏み状態。

実際に、根強い「節約意識」はこんなところにも…

観光客
「ぬいぐるみやご当地のものが好きで買ったこと多いが、そういうのも減らして」
「お父さんはお留守番です」

日本経済の浮揚のカギとなる個人消費の回復はいつになるのか。

第一生命経済研究所 シニアエグゼクティブエコノミスト 新家義貴氏
「(回復の)ペースは鈍いものにとどまる。実質賃金の水準はまだまだ低い。消費者の心理の持ち直し度合いも、おそらく弱い」

賃金が上昇し、そして消費が増える。“経済の好循環”が実現するかはまだ不透明といえそうです。

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