沖縄都市モノレール(ゆいレール)の路線と那覇空港を結ぶ連絡通路に設置された県管理の「動く歩道」が、老朽化のため2022年9月から約2年間休止している。沖縄観光のイメージ悪化につながりかねず改修が検討されてきたが、費用は3億2千万円と高額。今年7月の入札も不調に終わり、県は撤去も視野に検討する方針だ。

 夏休みを迎えた平日昼過ぎ、家族連れや観光客が土産やトランクケースを抱えて連絡通路を往来していた。動く歩道にはチェーンがかけられ、「進入禁止」の張り紙が掲示されている。

 家族旅行から帰省した那覇市の会社役員男性(52)は「こんなに長くかかるとは。インバウンド(訪日客)も伸びているのに」と歯がゆそうだ。

 県都市計画モノレール課によると、動く歩道は上り下り合わせて計80メートル。ゴムベルトや駆動装置などを全面的に取り換える予定で、修理費用は約3億2千万円が見込まれている。

 県は今年7月に入札したが、手を上げる業者はいなかった。県幹部は「2年も休止していたらさすがに印象が悪い」と漏らす。

 県議会6月定例会では、新垣淑豊県議が「3億円もかかり入札ができないとなると、立ち止まって見直すべきでは」と追及した。

 観光需要が回復しつつある中、県としては空の玄関口での「おもてなし」の質の向上を図りたい考えだったが、入札不調が続けば撤去も含めて検討するという。(政経部・平良孝陽)

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