利用者の増加を受け、那覇市と沖縄都市モノレールがゆいレール県庁前駅の増改築に乗り出すことが10日までに分かった。事業化に向けて本年度中に基本設計に着手し、必要な予算やスケジュールを洗い出す。3両車両の導入と併せて混雑解消を目指す方針だ。一方、度重なる設備投資やエネルギー代の高騰が経営を圧迫しており、同社は運賃改定の検討を始めた。(政経部・大川藍、東江郁香)

 基本設計業務は那覇市から沖縄都市モノレールに委託する方向で調整中。ホームの拡張とエレベーターの増設を主軸に、必要に応じて改札を増やすことも検討する。駅舎をレール方向に沿って伸ばすか、左右に拡張するかなども基本設計で検討する。

 県庁前駅は1日当たりの乗客数が那覇空港駅に次いで多く、ホームやエレベーターの混雑が大きな課題となっている。沖縄都市モノレールは那覇空港駅の増改築も視野に入れるが、国との調整に時間を要する。駅舎拡張は県庁前駅が先になりそうだ。

 沖縄都市モノレールは県庁前駅の混雑について「エレベーターに乗るまでに通常3~4分で済むところが混雑時は10分以上かかることもある。なるべく早期の増改築が必要」との見方を示す。通勤客と観光客の利用が重なる美栄橋駅~県庁前駅間が最も混雑するという。

 ゆいレールの駅舎は2003年の開業当初、1日当たりの乗客数が将来的に4万2千人となることを見込んで設計された。開業から20年余りたって通勤・通学客の利用が浸透し、観光客も急増したことなどから、23年度は開業時の想定の1・3倍となる5万5千人にまで増加。インバウンド(訪日客)の増加で30年度には7万2千人を超えると見込まれ、駅舎の拡張が急務となっている。

 沖縄都市モノレールは23年3月に県庁前駅、24年3月に那覇空港駅に改札を増設した。しかし利用者の増加に追い付かず、ホームやエレベーターの混雑解消には至っていない。そのため、駅舎全体の増改築の必要性を那覇市と検討してきた。

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