(ブルームバーグ):米国債相場は8日に続落。朝方に発表された米新規失業保険申請件数が約1年ぶりの大幅減少となり、景気に対する懸念を幾分和らげた。市場では年内の積極的な利下げ観測が一段と後退した。
午後に行われた30年債入札(250億ドル=約3兆6800億円規模)は、需要が振るわなかった。前日の10年債入札に続く低調な結果となり、長期債利回りは入札後にさらに上昇する場面があった。
30年債入札の最高落札利回りは4.314%。入札前取引(WI)水準は4.283%だった。
ナットアライアンス・セキュリティーズの国際債券責任者、アンドルー・ブレナー氏は「またしても、ひどい入札だった」とした上で、「10年債入札ほどは悪くない」と述べた。
米金融政策の影響を受けやすい2年債の利回りは約8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、4.04%。一時は11bp上昇して4.08%近くに達した。先週の新規失業保険申請件数は23万3000件に減少。市場予想は24万件、前週は25万件だった。
金利スワップ市場では年内の利下げ幅として約102bp相当が織り込まれ、利下げ開始時期は引き続き9月が見込まれている。
BMOキャピタル・マーケッツの米金利戦略責任者、イアン・リンジェン氏は「新規失業保険申請件数の減少幅は予想より大きかった」と指摘。2日に発表された雇用統計は弱い内容だったが、「この日の統計は、労働市場が依然堅調な証拠だと解釈された。相場の反応がそれを示唆している」と述べた。
米国債利回りは一時、全ての年限で少なくとも6bp上昇。利回りは失業保険申請件数の発表前は低下していたが、流れが反転した。10年債利回りは一時4%を超え、30年債利回りは入札後に4.31%を付けた。
原題:Long-Term Treasury Yields Extend Rise Amid Poor Auction Demand(抜粋)
(30年債入札の結果やその反応を追加して更新します)
--取材協力:Naomi Tajitsu、Alice Gledhill.
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