（ブルームバーグ）：９日朝の東京外国為替市場の円相場は１ドル＝147円台前半と、前日夕から下落して推移。米国で新規失業保険申請件数が減少し、景気減速への懸念が和らいだ。海外市場では米株式が大幅高となり投資家心理が改善、円売りが強まった。東京市場でも引き続き円が売られやすい。

３日終了週の新規失業保険申請件数が約１年ぶりの大幅減少となったことから、雇用統計で浮上した労働市場の鈍化に対する懸念が後退。８日のＳ＆Ｐ500種株価指数は2022年11月以来の大幅高となった。米国債は短期債中心に金利が上昇。為替市場では円がスイスフランを除くＧ10通貨に対して下落し、リスク感応度の高いオーストラリアドルやポンドが対円で大きく上昇した。

三井住友信託銀行米州部マーケットビジネスユニットの山本威調査役（ニューヨーク在勤）は、米経済指標の改善による安心感から「市場の雰囲気はかなり明るくなった」と述べ、東京市場でも148円を意識して円は売られやすいと予想する。

もっとも、国内では10日から３連休になり、そのままお盆休みで９連休とする企業もある。山本氏は、相場急変リスクが残るため連休前に円を買いたくなりやすいとし、需給要因が円を下支えする可能性を指摘した。

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