大型研究施設・ILC=国際リニアコライダーの誘致を巡る現状について共有するための説明会が、8月5日に岩手県一関市で開かれ、専門家が日本政府による早期の意思表示が必要と訴えました。

ILCとは地下トンネルの中で電子と陽電子を衝突させる実験を行い宇宙誕生の謎の解明を目指す研究施設で、岩手県と宮城県にまたがる北上山地が建設候補地となっています。

候補地周辺の自治体の担当者などが出席した5日の説明会では、東北ILC事業推進センターの代表を務める県立大学の鈴木厚人学長がオンラインで講演しました。

鈴木学長は候補地選定から10年以上経つ中「日本国内で建設への大きな進展がないため世界の研究者の期待感がしぼんでいる」と指摘しました。

そのうえで「ヨーロッパでも同じ種類の研究施設の構想が進んでいて、その戦略を取りまとめようとしているので、日本政府は来年3月までに前向きな意思表示をすることが必要」と訴えました。

東北ILC事業推進センター 大平尚事務局長
「ILCが未来を切り開く人材の育成に役立つ広範囲な影響があることをぜひ発信していきたい」

東北ILC事業推進センターでは今後も県民向けのセミナーを開くなど機運醸成を図りたいとしています。

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