(ブルームバーグ):米インテルが1日発表した7-9月(第3四半期)売上高見通しは、アナリスト予想を大きく下回った。同社は1万5000人を超える人員削減も発表した。人工知能(AI)ブーム対応で優位に立つ競合にビジネスを奪われている様子が明らかになった。株価は2日の取引で24年ぶりの大幅安となる恐れがある。
ニューヨーク時間2日早朝の時間外取引では、前日比で一時22%余り下落。通常取引時間にこの下落率を記録するなら、日中取引として2000年9月以来の大幅安となる。インテルの株価は年初から1日終値までで、既に42%余り下落している。
発表によると、7-9月期売上高は125億-135億ドル(約1兆8700億-2兆200億円)の見通し。ブルームバーグ集計データによると、アナリスト予想平均は143億8000万ドルだった。インテルは一部項目を除いた1株当たりの損益について3セントの赤字を見込む。市場予想は30セントの黒字だった。
インテルは約11万人に上る全従業員の15%強を削減する計画を示した。また10-12月(第4四半期)から株主への配当支払いを停止する。「キャッシュフローが持続可能なより高い水準に改善する」まで継続するとしている。同社は1992年以来、配当の実施を続けていた。
パット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)は従業員へのメモで、「前途が容易だと私は幻想を抱いておらず、あなたたちも抱くべきでない」とした上で、今回の措置は「当社の歴史において最も重要な変化に属する」とコメントした。
ゲルシンガーCEOの下でインテルは業界内の地位回復に向けて大規模投資計画を進めているが、顧客のつなぎ止めに十分なペースでの製品・技術向上には苦戦している。
こうした業績はインテルの劇的な後退を浮き彫りにするものだ。同社は数十年にわたり半導体業界で支配的地位を占めてきたが、今ではコスト削減策をアピールし、成長プランの財源はあると確認することを余儀なくされている。
デーブ・ジンスナー最高財務責任者(CFO)はインタビューで、「売上高はわれわれが望んでいる水準ではない」と指摘。「財務はわれわれが望んでいる水準になかった」とし、人員削減は「今後の事業についてより持続可能なモデルを確立できる状況にわれわれが至る上で 」必要だったと説明した。
同社は2024年の新規工場・設備への支出を20%余り削減し、現時点で予算は250億-270億ドル。来年は200億-230億ドルの見通し。
4-6月(第2四半期)は一部項目を除いた1株利益が2セント、売上高は128億ドルで1%の減収だった。市場予想では1株利益が10セント、売上高は129億5000万ドルだった。
4-6月期の粗利益率は35.4%。7-9月期は横ばいとなる見通し。過去には同比率が60%を大きく超えていた時期もあった。
売上高の内訳を見ると、ファウンドリー部門は改善傾向にあり、前年同期比4%増の43億2000万ドルだった。パソコン向け半導体部門も9%増と伸びた。一方、かつて最も収益性の高かったデータセンター部門の売上高は低調で、3%減の30億ドルだった。
原題:Intel’s Sales Slump Threatens Biggest Share Drop in 24 Years (1)、Intel Says Sales Will Fall Short of Expectations, Cuts Jobs (2)(抜粋)
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