(ブルームバーグ):米経済の減速が続けば、大型テクノロジー株の勢いがさらに衰える可能性があると、バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジスト、マイケル・ハートネット氏が指摘した。

同氏は2024年後半の債券には強気だが、景気減速の兆しが見えれば割高な大型ハイテク株の後塵(こうじん)を拝している銘柄へのローテーションが進むだろうとの見方を示していた。

ハートネット氏は26日のリポートで、最近のデータは世界経済が「病んでいる」ことを示唆しており、ハイテク株の支配が終わるには「1回の悪い雇用データがあればいい」と指摘した。

アップル、アマゾン・ドット・コム、アルファベット、マイクロソフト、エヌビディア、メタ・プラットフォームズなどのテクノロジー株の上昇基調は、米連邦準備制度理事会(FRB)が間もなく利下げを開始する可能性があるとの見方から投資家が小型株にシフトしたため、この2週間は頓挫している。

ハイテク株の多いナスダック100種株価指数の時価総額は、7月10日に過去最高を記録して以来、約2兆6000億ドル(約401兆円)も目減りしている。人工知能(AI)への巨額投資がすぐには報われないかもしれないという懸念も株価を押し下げている。

それでも、ハートネット氏によると株式強気派はこれが「健全」な調整だとの信念を持ち続けている。相場が重要な水準を下回ってはいないからだ。ナスダック100は10日以来約9%下落しているが、2023年10月に付けた安値からはまだ30%以上上昇した水準にある。

BofAのブル・ベア指標は24日までの1週間に6.9まで上昇し、3年ぶり高水準となった。ハートネット氏によると、この数値が8を超えると逆張りの売りシグナルが点灯する。ファンドマネジャーの株式配分が上昇し現金残高がさらに減少し、出遅れ組の上昇によって上昇銘柄の幅が広がれば、このシグナルが点灯する可能性があるという。

原題:BofA Says Cooling Economy Will Crack Big Tech Rally Even More(抜粋)

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