(ブルームバーグ): 台湾ドルは19日、米ドルに対し約8年ぶりの安値を付けた。台湾の半導体株が売り込まれ、株式市場からの資金流出が強まっている。

  台湾ドルは一時0.6%安の1米ドル=32.79台湾ドルと2016年以来の安値を記録。グローバルファンドによる18日の台湾株売り越しは17億9000万米ドル(約2820億円)相当だったと取引所のデータが示した。売越額は今年4月以来の規模で、5営業日連続の資金流出となった。

  半導体の受託生産最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の株価は19日の取引で一時3.5%安と、3日続落。堅調な業績だが、トランプ前米大統領が台湾が米国から半導体ビジネスを全て奪い、米国に台湾を防衛する義務があるかどうかなどと述べたことが、投資家の懸念に拍車をかけている。

  BNPパリバの大中華圏FX・金利戦略責任者ジュ・ワン氏は、「ハイテク株のボラティリティーが拡大したことで、株式市場で外国勢の資金流出が激しくなっている。典型的なリスクオフの反応だ。弱いトレンドが続くようであれば、当局がトレンドをなだらかにするため出てくるかどうかが注目される」と指摘した。

原題:Taiwan Dollar Slips to Weakest Since 2016 Amid Foreign Outflows (抜粋)

--取材協力:Hailey Wang.

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