毎年7月17日は「喜多方ラーメンの日」。より喜多方ラーメンに親しみ、地域を盛り上げようと記念日に登録されて一年。店舗数減少や後継者不足など課題も抱えるなか、喜多方ラーメンを未来へつなぐため「このままではいけない!」「もっと盛り上げたい!」という強い思いを持った移住者と老舗の挑戦が続いている。

<喜多方ラーメンを未来へ 移住者の挑戦>
「ラーメンのまち喜多方担当の地域おこし協力隊」として栃木県から移住してきた星智也さん。いずれ喜多方市内でラーメン店を開業したいと話す星さんは、2023年8月から地元の店で修業を積み、「喜多方ラーメンの日」に合わせて、その成果をお披露目した。しょう油をベースに、ほのかな甘みのあるスープは「毎日食べても飽きないラーメン」がテーマ。
味わった人は「一年間、喜多方ラーメンを勉強して、何とか製品として反映させたいという気持ちが伝わってきて、とても素晴らしい一年間の活動だった」と話す。

<ラーメンで街に活気を>
星さんは「後継者不足や高齢化というところもあるので、若い人たちがラーメン店を目指せるような店を作っていきたい」と話し、ラーメンを一つのきっかけに、喜多方をもっと活気づけたいと意気込む。
新しい風が吹く「喜多方ラーメン業界」。一方、老舗たちも挑戦的な一手を打っている。

<外国人観光客向け3000円ラーメン>
こだわり会津牛のチャーシューに、会津のだし醤油で丁寧に漬けた煮卵…会津の「極み」を詰め込み、インバウンド客に狙いを定めた1杯3000円のラーメン。
喜多方市の老舗ラーメン店「来夢」では、2024年2月からこの「極上の喜多方ラーメン」の提供を始めたが、来夢の花見拓さんが「なかなか厳しい状況」と話すように、売れたのはまだ10杯ほどで、すべて国内の客だったという。
花見さんは「喜多方に来られるお客さんは台湾の方が多いが、それ以外のインバウンドの方は、やはり少ないのかな…」と話す。

<ラーメンが食べられない?>
喜多方を訪れる外国人の、目的の7割が「ラーメン」という調査結果もあるが、15年前には喜多方市内に110店舗以上あったラーメン店も、後継者不足などで20店舗ほど減少。また、営業時間中にスープが無くなってしまう店も多く、訪れた人がラーメンを食べられずに帰ってしまうなど、集客にはまだまだ課題もある。

<リピート客を増やす>
来夢の花見拓さんは「どこの店も、こだわりやプライドを持って喜多方ラーメンを出している。もう一回来たいというお客さんを増やせるように、しっかりおいしいラーメンを作っていきたい」と話す。
喜多方市内の店舗は、協力してイベントの開催やグッズの販売を企画していて「喜多方ラーメン」のファンを増やし、観光客の増加につなげたいとしている。

2024年4月に喜多方市役所にできた「喜多方ラーメン課」によると、今後ラーメンのイベントを実施していくなどして、星さんのような経営者を増やし「ラーメンのまち」をもっと多くの店舗でにぎやかにしていきたいとしている。

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