北海道苫小牧市の食肉加工業「農研百姓塾」が、札幌地裁から破産手続き開始決定を受けたことが分かりました。民間の信用調査会社、東京商工リサーチによりますと、3月19日時点の従業員は約20人で、負債総額は2億1045万円です。

 「農研百姓塾」のホームページなどによりますと、千歳市駒里の農村地域で鳥や豚の糞を使った有機肥料を生産、販売する会社として1993年10月に設立。「土の友」や「たまご便り」という商品のネーミングで人気を博しました。

 2005年7月以降は、千歳産「駒里金豚(くりきんとん)」や苫小牧産「湧水豚」のブランド肉を使ったベーコンやウインナーなどの加工品の製造・販売に事業をシフト。業務用や学校給食向けを中心に、ピーク時の2006年3月期には10億円の売上高を計上しました。

 次第に同業との競争が激しくなり、百貨店の催事やインターネットでの販売に業態を転換。2009年3月期の売上高は1憶7000万円に減少。2020年以降はコロナ禍で百貨店の催事が中止になり、赤字を余儀なくされ債務超過が膨らみました。

 さらに病気療養していた鈴木孝則社長が2024年3月に急逝。去年からM&Aによる再建を模索していましたが、資金繰りが苦しくなり、6月28日付で札幌地裁に破産を申請しました。

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