(ブルームバーグ): 大手債券運用会社が待ち望んでいた瞬間が訪れようとしている。アクティブ運用型の上場投資信託(ETF)への顧客資金流入が記録的金額に達しているのだ。

  モーニングスター・ダイレクトによると、米金融当局が早ければ9月に利下げに踏み切る可能性がある中、投資家は今年上期にアクティブ型やインデックス型の投資信託、ETFに全体で2450億ドル(約39兆円)を投じた。これに対し2023年上期は約1500億ドルだった。

  特に人気が急上昇しているのは、ジャナス・ヘンダーソン・グループとブラックロック、フィデリティ・インベストメンツ、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)などのアクティブETFだ。

  ブルームバーグの集計データでは、7月12日までにアクティブ型債券ETFにはネットベースで440億ドルが流入し、昨年全体の3割強多く、2022年の3倍を超える。

  ブラックロックの米州担当チーフ投資・ポートフォリオ・ストラテジスト、ガルギ・チャウドリ氏は電話インタビューで、「投資家は運用スタイルとしてアクティブ型を選択し、利回りは素晴らしいがスプレッドがタイトで分散が大きい時に運用できるスキルを持った運用者を求めている」と指摘。「インカムを得ることも重要だが、アクティブ運用で債券を選ぶことも重要だ」と付け加えた。

  ブルームバーグのデータによると、年初来の債券ETFへの資金フローのうちアクティブ型の割合は約3分の1と、昨年の16%から急増している。

  運用会社各社は今年、こうした変化に乗じて新たなアクティブETFの設定に乗り出す一方、既存の投信をETFに転換する動きもみせている。例えばピムコは7月10日、運用資産1億3800万ドルの住宅ローン担保証券(MBS)投信をETFに転換する計画を米証券取引委員会(SEC)に提出した。

  ブラックロックの15日の発表によると、今年上期は同社の債券ETFへの資金流入額がネットベースで530億ドルだった。同社はアクティブETFの資産が世界全体で現在の9200億ドルから2030年までに4兆ドルに達すると予測している。

原題:Bond Kings Draw Record $44 Billion to Active ETFs Before Fed Cut(抜粋)

--取材協力:James Seyffart、Ye Xie.

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