インバウンド需要が日本経済の重要なカギとなる中、外国人観光客の足となる飛行機をめぐって、人手不足が深刻化しています。問題を解決するために、航空会社もあの手この手の取り組みを進めています。

■「より省人省力化が可能」人手不足対策に“無人”自動運転

世界有数の「忙しい空港」とされる
羽田空港で、国内初の取り組みが始まっています。

記者
「スーツケースなどを積んだコンテナを引っ張る車両が出てきましたが、運転席を見ると誰もいません」

16日、ANAと豊田自動織機が公開したのは、完全無人運転の試験運用。

貨物などを運ぶトーイングトラクターには、複数のセンサーが完備。

障害物や位置情報などを把握し、交通量が多い中でも、トラクター自体が「自分で考えて」ブレーキやアクセル、ハンドル制御を行います。

空港内で、特定の条件の下、ドライバー不在で運転する「レベル4」の運行は国内で初めて。

他方、高性能のため、これまでの車両よりも費用はうんと掛かりますが、それでも導入する背景には…

全日本空輸 グランドハンドリング企画部 森真希子さん
「人手不足で本来であればもっとたくさんの便を扱いたいが、そういったものを受け入れることができないのが現状」

荷物の積み込みや搭乗客の案内などを行う「グランドハンドリング」と
呼ばれる地上業務は、特に担い手不足が深刻です。コロナの時に2割もの人が減って以降、未だに元の水準に戻っていません。

全日本空輸 グランドハンドリング企画部 森真希子さん
「自動運転になると、(これまで)トーイングカーを運転していた人は、出発地・到着地で待ち構えていて搬送されてきたものを搭載する。そちらに集中することができる。より省人省力化が可能」

会社の垣根を超えて“省人化”の動きも出てきています。

異例のタッグを組んだのは、日本航空と全日空。

今年4月から、これまで別々だったグランドハンドリング業務の一部の資格を共通化しました。

インバウンド需要で待ったなしの状況の中、業界全体で人手不足に“あの手この手”の取り組みが進んでいます。

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