現在の最低賃金の全国平均は1004円ですが、これを1050円程度まで引き上げようという議論が本格化し始めました。

最低賃金は毎年見直されていますが、10年前には780円でした。
それが2023年度に過去最大の43円増となり、全国平均で初めて1000円を超えて1004円となりました。

そして今回、7月下旬の取りまとめに向けて、1050円に上げることをにらんだ調整が進む見通しです。

その場合、時給が46円増えるかもということで、アルバイトで働く人に話を聞きました。

アルバイト(20代):
結構上がりますよね。遊びの場をランクアップしたい。普段できないことしようかな。

アルバイト(10代):
時給が50円アップするって結構デカイ。

この最低賃金の引き上げは岸田首相の肝いり政策で、「2030年代半ばまでに全国加重平均が1500円となることを目指す」と話しています。

政府が目指す1500円。
実はすでに実現しているお店が群馬県にもありました。

赤文字の看板でおなじみの「コストコ」です。
1万平方メートルほどの大きな売り場に、ビッグサイズのお肉やパンが並ぶ大型店で、アメリカに本社がある外資系の企業です。

時給は驚きの1500円、さらに休日は最高2000円超となっています。

コストコは世界各国にあることから、本国アメリカの時給に合わせているといいます。

しかし、ここで関東の最低賃金を見ていきますと、群馬県の最低賃金は関東で一番低い水準の935円です。

関東で一番低いと聞いて群馬県民の人は、「しょうがないところもあるのかな」「友達は1300円とか、東京で。うらやましいなと思う」「(時給)上がってください、切実に」などと話しました。

同じ前橋市では、時給が1000円前後のお店が少なくありません。
政府が目指す時給1500円のお店と、関東最低の給与水準が同居するこの群馬県。

コストコの時給1500円について、コストコから程近い前橋市内の「T.G.CAFE」の蟻川博店長にどう思うか聞くと、「当店の時給がずいぶん安く感じられてしまう。当店ではまねできない」と、素直な気持ちを教えてくれました。

蟻川店長はお店の時給について、「1000円前後です、980円スタート。仕事を覚えてもらったら時給も上がっていく」と話しました。

いずれ訪れる最低賃金の引き上げ。
しかし、お店にとっては時給50円アップにも苦しい実情があるといいます。

蟻川店長からは、「水道・電気・ガスの値上げ、もう一つ食材の高騰。メニューの価格を上げざるを得ない。やっぱり常連さんも多い店なので、足が遠のいてしまうのではと非常に心配しております」と切実な声が聞こえました。

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