連日の厳しい暑さも、夏野菜のトマトにとっては「恵みの暑さ」となっています。都内のスーパーを取材すると平年の2〜3割も安くなっていました。

 パリっと大きな羽根をまとった餃子が完成です。東京・大田区の中華料理店「歓迎」。このお店は餃子が名物なんですが、実は、餃子ではない、隠れた人気料理があるんです。

 中華鍋で絡み合う黄金のタッグは「トマトと玉子炒め」です。ふわふわの卵に、さっぱりとしたトマトの酸味が夏にぴったりの一品です。

来店客
「う〜ん、うまっ! お米がほしくなる」
「すごくおいしい。甘ずっぱくて素人では出せない味。自分も家でつくるので再現したいなと思って頼んだけど、とても美味しい」

 この時期、特に注文が増えるというメニューですが、最近うれしい現象が。

中華料理歓迎 山崎美紀代表
「今朝届いたトマト」「2〜3週間前だと小ぶりだったので、今回パーンと張っていて大ぶり。すごく料理に使いやすい」

 大きさだけではありません。

中華料理歓迎 山崎美紀代表
「2〜3週間前だと3000円ちょっと。結構高くて。今はだいぶ落ち着いて1200円前後で大ぶり。だいぶ違ってますね」

 トマトの卸売価格は春から平年より高い水準を維持。5月末には、平年のおよそ1.6倍になりました。その後、価格は徐々に下降傾向となり、先月末。ようやく平年より低水準に落ち着いたのです。

中華料理歓迎 山崎美紀代表
「安心しかない。本来のクオリティーでお客に提供できるっていうところで喜んでいただけたらなと思う」

 トマトたっぷりのお店は、渋谷にもあります。トマトをふんだんに使った自家製ソースで炒める「ナポリタン」に。オーブンでこんがり焼き上げた、とろ〜りチーズのグラタンも。

 老舗洋食店が守るこだわりの味に、トマトは欠かせません。

関口亭 関口真太郎2代目店主
「(トマトの仕入れ値が)高い時期ありました。あの時はどうしようかなと迷ったんですけど、そこをケチったりするとクオリティーにも影響するので、そこはちょっと我慢して美味しいものを作ろうと。本当にうれしいですね。値段を見て、落ち着いてきたなあと」

 トマトは、スーパーでも“買いどき”です。

アキダイ 秋葉弘道社長
「トマトの価格自体は平年と比べて1、2割安い。スタートダッシュはいい。雨も少ない、日照不足はほとんど聞かないので、トマト(の生育)にとっては非常に良い」

 お弁当などで使いやすい、ミニトマトの安さにも注目です。

 補充する度、無くなっていくミニトマト。それもそのはず。

アキダイ 秋葉弘道社長
「通常のミニトマトの3倍の量が200円。(通常のサイズ)1パックあたり66円という計算。非常にお安くなっています。多い日は500ケースくらい仕入れて売れてますね、毎日」

 秋葉社長によると、ミニトマトは平年より3割近く安くなっているそう。大きなトマトと同様、一足先に夏が来て、生育が進んでいるということです。

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