琉球大学が陸上養殖で育てたヤイトハタ(アーラミーバイ)を食材にしたフィッシュバーガーが、本部町崎本部のオサカナキチネット(田中和貴代表)で販売されている。ミーバイのだしのうま味を生かした白ワインソースで高級感ある味わいが特長。互いのメリットを生かし研究機関と店舗側が「共創」することで、「琉大ミーバイ」の認知度をさらに高めたい考えだ。売り上げの一部は「琉大ミーバイプロジェクト」に寄付される。
日本の水産業は、生産量や生産額共にピーク時から半減以上と厳しい現状がある。将来的なタンパク質危機や担い手不足による漁業経営難、海洋汚染などの社会課題が顕在化しており、その解決に向けて琉大ではサーキュラーエコノミー(循環型経済)に資する陸上養殖の研究開発に取り組んでいる。従来は廃棄される未利用資源の飼料や農作物などへの利用、再エネの活用、さらに人材育成を通して、沖縄発の新たな産業モデル創出を目指す。
これまでホテルなどと商品開発を進めてきたが、取引は800グラム以上がメイン。しかし、養殖では成長にばらつきがあり、600グラム以下の小型ミーバイの商品化を図るため「琉大ミーバイバーガー」が開発された。
琉大の志茂和音特命助教は「安心・安全な食の未来を作っていくのが研究機関の役割。民間と共創することで市場を広げていきたい。寄付による支援も募っており、今回の売り上げの一部は寄付となる。おいしく食べて、ぜひ応援してほしい」と話す。
一方、オサカナキチネットの田中代表は「生産過程が分かれば、調理する時も身が入る。地元で養殖されたものだと食育にもつながる」と語り、「プロジェクトに関われるのは光栄だ。『天然もの』がもてはやされるが、将来を考えたときには養殖の必要性は高いと考えている」と話す。
バーガー単品1260円、フライドポテトなどとセットで1680円。
プロジェクトの寄付に関する問い合わせは、同大の研究推進機構共創拠点運営部門、電話098(895)8932。メールcoi-next@acs.u-ryukyu.ac.jp(社会部・新垣亮)
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