人手不足の解消に向けて外国人労働者が重宝される中、岩手県内でもその動きが広がっています。
盛岡市の測量会社では2024年から東南アジアの大学と提携して、学生を受け入れるインターンシップの取り組みが始まりました。
インターンシップを始めたのは盛岡市に本社がある吉田測量設計です。
吉田測量設計では、これまでにベトナムやフィリピンなど東南アジア国籍の社員を採用してきました。
グローバル人材の育成や将来の雇用につなげようと、タイなどの大学と提携して2024年から学生を対象としたインターンシップをスタートさせました。
真剣な表情でモニターに向き合うのは“タイの東大”と称されるチュラロンコン大学で測量などを学ぶ3年生、ダニエル・ソラジャワットさん(20)です。
6月3日から約1カ月半の夏休みを利用してインターンシップに参加しています。
この日はコンピューター上で設計や製図を行う「CAD」というツールを使って、3Dで砂防ダムなどの図面を作成しました。
フィリピン国籍の社員、ライエス・ホセ・フロイラン・べラスコさん(32)と英語でやり取りしながら集中して取り組みます。
タイのインターンシップ生 ダニエルさん
「(CAD)の操作が慣れないので難しい」
フィリピン国籍の社員 ホセさん
「職場の雰囲気はどう?」
タイのインターンシップ生 ダニエルさん
「(職場の雰囲気は)とても静か。一生懸命仕事をしている。職場の皆さんはとても親切」
ダニエルさんの真面目でひたむきな姿に、周囲の評判も上々です。
社員
「日本語も徐々に覚えているので、成長スピードに驚く。技術の交流もしつつ一緒に切磋琢磨できたらいい」
会社で学んでいるのは測量や設計の技術だけではありません。
入社4年目のホセさんなど先輩社員の指導を受けて、毎日30分ほど日本語の勉強に励んでいます。
フィリピン国籍の社員 ホセさん
「ダニエルさんは一生懸命勉強して(日本語を)覚えている」
タイのインターンシップ生 ダニエルさん
「発音が少し難しいけど、日本語は面白い」
午後5時半には、会社が所有している近くの一軒家へ帰ります。
この家にはホセさんも住んでいて、2人で料理をしたりして和気あいあいと過ごしているそうです。
インターンシップに参加し充実した日々を送っているダニエルさん。
親元を離れ異国の地で測量を学ぼうと思った理由の一つに、日本の技術力の高さがあると言います。
タイのインターンシップ生 ダニエルさん
「日本はこの(測量の)分野でエンジニアが高く評価されている。日本の文化を学ぶことができる良い機会にもなっている」
大学卒業後は、測量関係の仕事のほか土木の勉強をするというビジョンも持っています。
グローバル人材のニーズが高まるなか吉田測量設計では、こうしたインターンシップを利用した学生が日本での就職につながることを期待しています。
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