(ブルームバーグ): 米労働省労働統計局が7月5日に発表する6月の雇用統計では、非農業部門雇用者数は伸びが鈍化し、賃金の伸びも緩やかになった公算が大きい。エコノミスト予想通りなら、インフレ鈍化のさらなる裏付けを探す米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長ら当局者にとって好ましい展開となる。

  ブルームバーグのエコノミスト調査の予想中央値によると、6月の雇用者数は前月比で約19万人増と見込まれている。予想以上に好調だった5月の27万2000人増を下回る伸びにとどまりそうだ。失業率は前月と同じ4%と予想されている。

  平均時給は前年同月比3.9%増と、過去3年間で最も低い伸びと見込まれている。

  注目の雇用統計に先立ち、ポルトガルのシントラで欧州中央銀行(ECB)の年次フォーラムが開催される。7月2日のパネル討論会にはパウエルFRB議長が参加する予定で、利下げに踏み切る時期に関する手掛かりを得たい投資家の注目を集めそうだ。ラガルドECB総裁も同討論会に参加する。

  米独立記念日の祝日を迎える今週、米国で発表されるもう一つの重要な雇用関連指標は求人件数で、さらなる減少が示されると予想されている。5月の求人件数は、2021年初頭以来初めて800万人を下回ったと見込まれている。

  2024年後半がスタートする今週、米国以外では中国の財新製造業購買担当者指数(PMI)やユーロ圏のインフレ率などの注目指標が相次ぎ発表される。フランスと英国の選挙にも投資家の関心が集まる見通し。

原題:US Employment Seen Moderating Along With Wage Growth: Eco Week(抜粋)

--取材協力:Robert Jameson、Piotr Skolimowski、William Horobin、Laura Dhillon Kane、Paul Wallace、Monique Vanek.

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