円相場が、37年半ぶりに円安・ドル高水準を更新しましたが、一体、歴史的な円安の要因は何なのか?ソフトバンクグループの孫正義氏に、加速する円安の背景について聞きました。
「この30年間、新しい技術が日本からほとんど出て来なくなった」
膳場貴子キャスター:
円安が続いていますけれども、この円安をどうご覧になっていますか。
ソフトバンクグループ 会長兼社長 孫正義氏:
テクニカルには金利などその他いろいろあるが、構造的問題だと思います。この30年間、日本の経済の底力がだいぶ弱まっている。
30年前は日本の自動車やエレクトロニクスは世界最先端で、新しい技術をリードしていました。半導体もそうでした。
しかし、この30年間、新しい技術が日本からほとんど出て来なくなった、世界をリードするものがね。
その間アメリカはものすごく進化して、これから更に進化するんです。
この更なる成長エンジンを国内に持っているかどうか。それが一番重要なファンダメンタルだと思います。
膳場貴子キャスター:
何故、この30年間、国内から新しい産業が世界に向けて生まれてこなかったんでしょうか?
「今の最先端の技術を真正面から取り組まなきゃいけない」
ソフトバンクグループ 会長兼社長 孫正義氏:
日本でバブルがはじけました。不動産やその他も。それであつものに懲りて、保守的な経営が日本の主流になっちゃったんです。
インターネットだとか、そういうものが出てきた時にこれはまがい物だと言い過ぎたんです。
「若い者は何言ってんだ」みたいな感じで叩いて、昔の重厚長大の、大経営者とかメディアも含めて、新しいものをちょっと低く見すぎた。それで若者が萎縮しちゃったんです。
大企業も、半導体にものすごい設備投資をしているんだけど、半導体の設備投資も萎縮して低くなってしまったと。これがもう構造問題だと思います。
もう1回ここでどうしても立ち直すためには、やっぱり今の最先端の技術を真正面から取り組まなきゃいけないと思います。
(「サンデーモーニング」2024年6月30日放送より)
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