(ブルームバーグ): 英最大野党、労働党のスターマー党首は29日、同党の経済成長重視の姿勢について、英国の銀行への増税を計画していないことを意味すると述べた。スターマー党首は投票まで1週間を切った英総選挙で勝利し次期首相に就任すると見込まれており、今回の発言は金融業界に安心感を与える狙いがあるようだ。

  スターマー党首は29日のブルームバーグとのインタビューで、「われわれのマニフェスト(政策綱領)には、すでに掲げた以上の増税を求めるものは何もない」と述べ、「単なる税金の問題ではないし、成長に重点を置いているからだ」と語った。

  労働党政権が誕生すれば銀行や投資家が増税対象になるとの見方が浮上する中、世論調査でスナク英首相を20ポイントリードするスターマー氏はそうした懸念の沈静化を目指している。英有力シンクタンクの財政研究所(IFS)は、労働党も与党保守党も、増税せずに支出公約の財源を確保する方法に関する難しい選択を「避けている」と指摘している。

  労働党はエネルギー会社に対する超過利潤税の延長やプライベート・エクイティー(PE、未公開株)投資会社のボーナスへの課税、私立学校の授業料に対する付加価値税(VAT)免除措置の廃止などをマニフェストに掲げているが、それ以外の増税は不要だとしている。

  それでも、英金融街シティーの一部幹部は、労働党が銀行への超過利潤税を検討したり金融取引税のアイデアを復活させたりするのではないかと懸念していた。

  労働党は多くのプロジェクトの財源を経済成長に頼るが、スターマー氏は主要7カ国(G7)で最高の持続的成長を目指す公約について、達成時期には言及しなかった。

原題:Starmer Says Growth Focus Is Why Labour Doesn’t Plan Bank Tax(抜粋)

--取材協力:Alex Wickham、Ailbhe Rea、Alex Morales.

More stories like this are available on bloomberg.com

©2024 Bloomberg L.P.

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。