公正取引委員会は19日、大阪市天王寺区の「大阪シーリング印刷」に勧告を行いました。同社は、豆腐やおにぎりのラベルなど、食品を中心にした「ラベルシール」の国内トップシェアの企業です。

公取委によりますと、同社は36人の下請事業者が作成した、ラベルなどのデザインの納品を受け、「問題ない」と受け入れたあとに、顧客である食品製造者などから、細部のデザインのやり直しなどを求められると、再び下請け事業者にデザインのやり直しを依頼して、結果的に、無償で計24600回、デザインのやり直しをさせていたということです。

36人の多くはフリーランスだということです。

ラベルシールのサンプル(一例)

◆最も多い場合 15回の無償やり直し

多くの場合、やり直しは1~3回だったということですが、最も多いケースでは、15回やり直した製品があったということです。

公取委は、下請法の「不当なやり直しの禁止」の規定に違反しているとして、19日、同社に対して「こうした行為が下請法の規定に違反するものであることや、今後、不当なやり直しをさせないこと、などを取締役決定により確認する」よう勧告しました。

公取委によると、平成15年に「不当なやり直しの禁止」が規定されて以降、全国ではじめての勧告になったということです。

ラベルシールのサンプル(一例)

◆大阪シーリング印刷「誤った認識をしていた」

大阪シーリング印刷は取材に対し、「勧告を真摯に受け止め、研修や点検を行って、再発防止を徹底したい」としています。

また、やり直しに関して発生する費用についての考え方として、「作成の依頼時と校了時で、トータルで支払いをしていると認識をしていました。誤った認識でした、勧告に従ってすでに正しい対応に改めています」としています。

また、きょうまでに、下請け事業者の36人に対して、デザインのやり直しにかかる費用に相当する額 984万円を支払っているということです。

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