■「みんなが幸せになれるような劇団づくりを」と株主

阪急阪神ホールディングスの株主総会が開かれ、株主に対して、角和夫会長は劇団員の死亡について改めて謝罪しましたが、株主からは、「会長辞任してください。このような組織は崩壊する」といった厳しい指摘が相次ぎました。

14日午前、阪急阪神ホールディングスの株主総会が大阪市内で開かれ、およそ1700人の株主が参加しました。

【株主総会に参加する株主】「決算の説明書で何ページでも宝塚(歌劇団)に言及しているがもっと具体的に教えていただきたい」

【株主総会に参加する株主】「みんなが幸せになるような劇団づくりをやってほしい」

■劇団員死亡問題 稽古スケジュールの見直し 劇団員専用 相談窓口設置

阪急阪神ホールディングスが運営する宝塚歌劇団をめぐっては去年9月、宙組に所属する劇団員の女性(当時25)が死亡しているのが見つかりました。

自殺とみられています。

劇団側は当初、いじめやパワハラはなかったとしていましたが、遺族は上級生らによる叱責や罵倒など15件のパワハラがあったと主張し、劇団側にこれらを認めて謝罪するよう求めていました。

劇団は、上級生らによる複数のパワハラについて大筋で認めたうえで、遺族に直接謝罪し、合意したことを発表していて、今後、稽古のスケジュールの見直しや、劇団員専用の相談窓口を設置するとしています。

株主総会の冒頭で角和夫会長は劇団員の死亡について改めて謝罪したうえで、「二度とこうした問題を発生させないよう、再発防止に全力で取り組んでいます」と話しました。

また、嶋田 泰夫社長も「みなさまに新しい宝塚歌劇団に生まれ変わったと認めていただけるよう、全力で改革に取り組みます。この度は誠に申し訳ございませんでした」と語りました。

■「隠蔽体質」「会長は問題解決後 辞任して」株主から批判相次ぐ

しかし、株主からは「起こってしまったことについて、記録に残さないようにしている印象。隠蔽体質なのが企業の姿勢としていかがなものか」といった批判や「被害者をいじめた人たちが舞台に立つのはなぜか?角さん、問題解決後はHDの取り締まり役を辞任してください。このような組織は崩壊する」といった発言がありました。

■ステージ事業マイナスも 過去最高水準の営業収益

阪急阪神ホールディングスは昨年度の決算で、ステージ事業については、劇団員が死亡し、公演の中止やスケジュールの変更などをした影響で2022年度より16億円マイナスとなりました。

一方で、昨年度は、営業収益がおよそ9976億円で過去最高水準になっています。

去年、阪神タイガースが38年ぶりに日本一になったことによってスポーツ事業の営業収益が2022年度より120億円伸びたことが大きな要因です。

また、鉄道事業で旅客数がコロナ禍から回復し、2022年度より135億円プラスとなりました。

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