高齢化や過疎化などの影響で全国で問題となっている「空き家」。その空き家に注目している外国人が数多くいるといいます。どんな空き家を購入しているのでしょうか。

■空き家 外国人が“熱視線”「探していたもの全てある」

良原安美キャスター:
2023年の全国の空き家率は13.8%で、2018年と比べると0.2ポイント増えています。(総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査結果」より)

全国で最も多いのが和歌山県と徳島県で21.2%です。東京都も11.0%と5年前と比べると0.4ポイント増えています。

そんな中、外国人に空き家が人気だということです。

アメリカ人のマイルズさんは熊本県阿蘇市の築56年の物件をマイホームとして購入しました。マイルズさんは「探していたものは全てそこにありました」と話しています。

熊本県阿蘇市は“外国人居住者を歓迎”していて、外国語版の「ごみの捨て方」など、資料も作成するということです。

井上貴博キャスター:
古いものに愛着を持って、その土地を愛して、「そこに住みたい」という外国人が来るというのは歓迎したいと思います。

産婦人科医 宋美玄さん:
「床の間」や「縁側」など古き良き日本の家屋をよく知っている人に選んでもらえるというのは嬉しいですよね。

■東京・中野区 築53年の物件を約2000万円で購入「“古いから安い”はちょっと変」

スウェーデン出身のアントンさんは
東京・中野区(駅徒歩5分)で築53年の物件を約2000万円で購入しました。アントンさんは「外国と比べたら安い」といいます。

「古さ」は気にならないのでしょうか。

実はアントンさんの実家は築120年だということで、アントンさんは「スウェーデンでは築年数が長くても値段は下がらない。良いエリアなら築2~300年の家もある。“家が古いから安い”というのはちょっと変な感覚」としています。

「空き家はメンテナンスがされていない。古いものと新しいものをミックスして家をつくる、それがAKIYAのメリット」だということです。

アントンさんが購入した空き家は、床を全て壊し土間を作るなどリノベ中で、完成後はインバウンド向けの民泊にするといいます。

ホラン千秋キャスター:
アントンさんがリノベしている様子をYouTubeで拝見しましたが、階段や浴室をまるっと綺麗にしていて、DIYの域を超える建築家のようなスキルなので見ていて面白いです。

井上貴博キャスター:
腕があるからこそ、古いものや歴史のあるものなどから、創作意欲を掻き立てられるということもあるのでしょうか。

■円安が追い風 中野区の物件と同等の空き家…スウェーデンなら「1億円ぐらい」

良原キャスター:
今まさにこの空前の空き家ブームともいえるかもしれません。

外国人の不動産購入を支援するジヴさんによると、「3~4年前と比べて円安。今が買い時」だということです。

為替を4年前と比べると…

2020年6月 1ドル:約108円 1ユーロ:約121円
2024年6月 1ドル:約156円 1ユーロ:約169円

と、ショックを受けてしまう数字です。

2024年4月に開かれた外国人投資家向けのセミナーには、参加者80人以上が集まったといいます。

アントンさんは、東京・中野区の駅徒歩5分、築53年の物件を約2000万円で購入しましたが、スウェーデンで同等の空き家なら「1億円ぐらい」するということで、「自分の国では家を買えないのに、日本ではできるのがジャパニーズドリームかも」と話しています。

産婦人科医 宋美玄さん:
地震が少ない国だと築何百年といった家屋でも価値がずっと保たれていたりしますが、日本では耐震基準が年代ごとに変わるという特性もあります。(耐震性も)リノベで補強できると良いと思います。

海外の人が空き家をうまく利用してくれるのであれば、問題も解決して良いのではないかと感じます。

井上キャスター:
物件を買うだけで住むことも賃貸に出すこともなく、値が上がるのを待つという投機的な買い方をする人もいるようです。

何か規制をかけないと、日本人が買えずにどんどん高騰して、外国人ばかりが買うということになりかねません。

産婦人科医 宋美玄さん:
町が寂しいままになってしまっては悲しいです。

ホランキャスター:
空き家になっていると治安も悪くなるといいますから、買いたい人と家とのマッチングがうまくいって良い方向になると良いですね。

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<プロフィール>
宋美玄さん
産婦人科医 2児の母
女性の健康などのテーマを発信し、女性の性に関する著書が人気

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