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物価高が続き、買い物の際のため息は深くなるばかりだが、6月は一段と物価高を感じることとなりそうだ。政府による電気・ガス料金への補助事業が5月使用分で終了し、光熱費の負担が増えるためだ。食品も新たに600品以上が値上がりとなった。政府による定額減税が始まり、減税や給付金で家計にお金が戻ってくるものの、消費を増やそうという心理にはなれないのが実態だ。(テレビ朝日デジタル解説委員・名村晃一)

補助金ゼロ 関西などで電気料金が最高値に

電気・ガス料金への政府の補助金は5月使用分でほぼ半額となるため、6月請求分(5月使用分)から支払額が増加する。6月使用分(7月請求分)以降は補助金がゼロになるため、さらに値上がりする。

大手電力会社が発表した6月使用分の料金は前月比で346〜616円の負担増となる。関西電力や九州電力など8社では、標準モデルの電気料金が過去最高となる。

食品の値上がりも続いている。帝国データバンクのまとめでは、6月の食品の値上げは614品目に上る。急速に進む円安が原因の値上げが約30%を占めたという。

品目数は、大規模な値上げラッシュとなった昨年6月と比べれば83.7%減となり、「物価高は沈静化している」との分析はできるものの、いったん上昇した価格が値下がる傾向はなく、「物価高の積み上げ」が続いている。また6月に入っても、メーカーなどによる秋以降の値上げの発表が相次いでいる。

「家計支援」も実感乏しい? 効果は限定的か

一方、6月から政府の定額減税が始まった。所得税と住民税を1人あたり計4万円差し引く。所得が少なく納税していない世帯には現金を給付する。物価高に苦しむ家計を支援することが狙いだが、納税額によっては減税分を手にするのに何カ月もかかるため、多くの国民が、「お金が戻ってきた」という実感を得られるかどうかは不透明で、消費の下支え効果は限定的になりそうだ。

厚生労働省が6月5日に発表した4月の毎月勤労統計調査では、基本給にあたる所定内給与は前年同月比で2.3%増加したが、物価変動の影響を除いた実質賃金は0.7%減少した。過去最長の25カ月連続でのマイナスだ。物価高が生活を圧迫する構造は長く続き、国民の将来への不安は強まっている。

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