完熟トマトがたっぷり盛り付けられた、トマトソースの冷製パスタ。
これからの暑い季節にぴったりの夏メニューに、ピンチが迫っている。

農林水産省が発表した野菜価格の見通しによると、天候不順などの影響でナスやトマトなどが、6月の1カ月を通じて高値になるという。

イタリアンレストランでメインのステーキに添えられたのは、彩り豊かな6種類の野菜。

毎日、さまざまな野菜を用意する中で価格の高騰を強く感じているという。

「GITA」オーナーシェフ・福田耕二さんは「春先から少しずつ(野菜の価格が)上がっているという印象はありますけど、2割から5割値上がりしているのかな。ホウレンソウですね、2割3割高いです」と話した。

農水省によるとホウレンソウ、ナス、トマト、ピーマンは、6月の1カ月を通じて平年を上回る高値で推移する見通し。それらの野菜は、いずれも料理に欠かすことのできないものばかり。

店では、形が悪い野菜などを農家から直接仕入れるなど、これまでも工夫をしてきたという。
それでも「GITA」オーナーシェフの福田さんは「対処のしようがない。いつも使ってる野菜なので使わないわけにはいかない。値上げを考えないといけない状態になりました」と話した。

東京都内のスーパーの買い物客からも「大根、ニンジン(が高い)…、輸入の果物がすごく高い」「大根とかキャベツとか、そんなに高くならないのにことしは高かった」などと、悲鳴に近い声が聞かれた。

野菜の高騰が続く理由は、単純な天候不順だけではないという。

アキダイ・秋葉弘道社長は「毎週月曜日に雨が4月5月続いたんです。月曜日の雨というのは一番厳しいんです、実は。市場が水曜日と日曜日が休み。休みの前には量が必要なんです。その時に雨で収穫量が減ると、少ない物を取り合うので相場が下がらないんです」と話し、月曜の雨が続いたことも高騰の要因になったと指摘する。

一方で5月、平年の約3倍近くまで高騰していたキャベツやブロッコリーの価格は6月、平年並みに落ち着く見通し。

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