全国的にキャベツが高騰し、沖縄県内のスーパーや飲食店にも影響が出ている。食堂からはキャベツを使ったメニューは「赤字」と悲鳴が上がり、別の野菜で代用する工夫も。スーパーでは半分にカットして値ごろ感を出すなど対応を試行錯誤する。野菜の卸売りを手がける沖縄協同青果の担当者によると、7月ごろには夏向けで作られているキャベツが入荷する見通しで、価格が落ち着くとみている。(政経部・金城紅映)
県中央卸売市場が出している4月の卸売価格の平均値は1キロ128円。5月に入って急激に高騰し、17日に2・8倍に当たる1キロ363円まで上がった。県内のあるスーパーでは1玉645円(税込み)で店頭に並んでいた。
全国的に1~2月に気温が上がって育ちが良く、出荷が早まっていることに加え、3~4月に雨が多く不作が響き、高値で取引されている。
キャベツは食卓の定番野菜。那覇市松山の「お食事処みかど」は店のメニューの3分の1にキャベツを使っている。特にちゃんぽんはふんだんに使うため、中村裕之代表は「ちゃんぽんが出るほど赤字」と話す。今まで1ケース6個入りを千~1200円ほどで仕入れていたが、現在は7千円もするという。
「これまで、こんなに高くなったことはないし、大きさも小ぶり。でも、みかどのちゃんぽんを食べに来るお客さんはたくさんいる」(中村代表)。現在はグリーンボールで代用し、キャベツ価格が落ち着くのを待つ。
イオン琉球は、キャベツを半分や4分の1にカットして販売するなどして消費を促している。使い切りやすい袋詰めの「カット野菜」は1・4倍ほど売り上げが伸びているという。
「とんかつ太郎」は、キャベツのおかわり自由を売りにしている。運営会社の担当者は「おかわり自由がモットーなので、仕入れ値が上がっても変わらず続ける」と話した。
沖縄協同青果の担当者は「梅雨入りで生育が難しく、しばらく高値は続くだろう。7月に群馬産キャベツなどの入荷が見込まれ、高値は落ち着くのではないか」と話した。
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